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昭和が香る狸小路で落語会 はな家寄席25 [落語]

ちょっと戻って1月の29日の土曜日のこと
この日は横浜西口、北出口近くの昭和が香る狸小路へ


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夜が賑わうこの狸小路に昼間に行ったのは奇数月に開催される居酒屋寄席、はな家寄席の日だから


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まだ暖簾の出ていないお店の2Fには


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急ごしらえの寄席会場
(このお店、1Fが禁煙で2Fは喫煙席なので煙に燻されることなく飲めます)


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今回は雷門音助さんの独演会
木戸銭は2500円(前売りだと2000円)、飲みホの懇親会も2500円
SSブロガーのまこさんも合流

 

 

<口癖>

 

勝さんが隠居のところに知恵を貸してくれとやってきた
「私の友達の建具屋の半公を知っていましょう」

「あぁ建具屋の半次郎さん」

「えぇ、あいつは二言目にはつまらねぇ、つまらねぇって言うのが癖なんです

聞いていて嫌な気分になるから、やめろって言ったんだ

そうしたら俺はいいけどお前にだって癖があると言うから何だって訊いたら
”一杯飲める”だと言うんでさ

私は酒飲みでしょ、二言目には一杯飲めるって言うのが私の癖なんだそうで

それで、お互いに口癖をやめようということになって

手拍子三つ打って、それ以降あらたに口癖を言ったら一回1円の罰金と決めてきたんです
でもねぇ、あいつは落ち着いていてなかなか口癖を言いそうになんです

私はこの通りでしょ 
つい言っちゃいそうなんだけれど先に取られるのは癪に障るんだ

奴につまらないって言わせる工夫は御座いますかね」

 「ほぉお、なかなか面白い事を言ってきたな 成程、ちょっといいことがある

その恰好では具合が悪い

汚いと言っては失礼だが仕事袢纏を裏返して手にちょっと糠を付けていく

これが道具だから忘れないように

それで向こうの半さんの家に慌ただしく行く、でこう言いな

”お前に話すのは初めてだが田舎に親類がある

そこから大根を百本ばかり送ってきた

これを漬け込んでしまおうと思うんだがあいにく一斗樽が無い
でも探したら醤油樽が出てきた
で、これに詰めようと思うんだが詰まろうかな 手伝ってくれないか?”

大根が百本、細い大根でもかさがある

醤油樽なんてそんなに大きなものじゃ無い、どう考えたって無理だ
”つまらない”って絶対に言うな」

「上手い事考えましたね 醤油樽に漬け込む、”これはつまろうか?””これはつまらない” 誰だって言いますよ 

どうも、ありがとうございます 絶対1円とれますのでお礼に甘味を買ってきます お茶の用意をして待っていてください」
「それでは宇治だけは私の方で用意いたしましょう、それではしっかりやっておいで」
勝さんは大喜び
恰好はご隠居さんの言った通りにし、手の先だけでは物足りないだろうと思い頭から糠を浴びてしまいました

「おい居るか?」
「誰だ? なんだ勝さんじゃないか」
「お前に話すの初めてなんだが田舎に親類がいる そこから大根を百本送ってよこしてきた」
「おぉしめたな、俺の所に半分くれ」

「黙って聞いてくれ 漬けようと思うんだがあいにく一斗樽がねぇ 醤油樽しかないんだが百本の大根がつまろうかな 手伝ってくれないか?」
「何を言っているんだ 考えてごらんよ 細い大根が百本って言ったらかさがある 醤油樽なんてたかが知れた大きさだ、どう考えたって百本の大根はつ・・・」
「つ?」
「・・・・この野郎上手く考えて来たな」
「どうだ? つまろうか?」

「駄目だ 余るよ」

「余らないように上手く詰めるんだ」
「箍が外れるな・・・・・・泣き面するな、ご苦労さん お茶でも入れよう おれはあまり時間はないが遊んでいきな あ、お密や下駄を出してくれ」
「どっかに行くのか?」
「なに横町のうなぎ屋の開業式よ 伊勢六の若段に誘われてな、これから行かなきゃならねぇ」
「一杯飲めるな」
「ありがとう」
「え?」
「一杯飲めるって」
「あぁわわわ・・・・今のはまけてくれ」

「しみったれな事を言うな 約束だからな あっ、お蜜、下駄出さなくっても良いよ、行かないから」

「うなぎ屋で一杯・・・」

「嘘だよ」

「嘘?ひどいよぉ今のは、大根が・・・」

「もう駄目だよ 出直しておいで」

「さようなら」
・・・・・

 

「ご隠居さん、戻りました」

 「おぉ早かったな お茶の支度が出来てるよ」

 「駄目だったんです 途中まではトントントンっていったんです どうだつまろうか?って言ったら向こうがグズグズ言って、”どう考えても百本の大根はつ・・・・”って言ったきり後が出てこないんですよ ”駄目だって、余る”って、うんと詰めたら”箍がはじける”って、強情な野郎ですよ

それでどっかに行こうとしてますから、聞いたら若旦那と一緒にうなぎ屋に行くって言うもんだから、つい”一杯飲める”って言っちゃって・・・とられちゃった

とられたのを取り返したいんだ もう一つ考えてもらえませんか」

「もしやと思ってもう一つ考えてはあるんだが、半さんは将棋は好きか?」

「奴は将棋は三度の飯より好きだ」

「それは好都合だ お前さんは? ふむ、そうかまるっきり知らないでは困るがそれぐらい知っていれば大丈夫

いや、将棋を指すのではない、詰め将棋だ

向こうに行くと悟られるから、半さんが来るのを待った方がいいな
半さんは勝さんのとこにはよく来るのか?」
「毎日湯を誘いに来ますよ」
「それは好都合 じゃぁな、玄関に盤を置いて、並び方は・・・こうこうで、こうして、手には金銀と歩三枚だ 他の駒を持っちゃいけないよ

で、半さんが来ても二、三度声をかけられても黙っている

これは夢中になっている様子を相手に見せるためだ

半さんは何をしているんだと聞くでしょうから”王を都詰めにする詰め将棋、雑誌の懸賞金に出ていた”って言いな
半さんは将棋好きだから”お前に分かるはずがない俺にかしな”って必ず言うでしょう で、向こうに盤と駒を貸して、暫くたってからつまろうか?って聞きなさい

本当は詰まないと言うが、口癖でつまらないと言うでしょう

好きなものには心奪われる

しっかりやっておいで」

 

勝さん、家に帰り玄関に盤を置いて教わった通りに駒を並べた

「おう勝さんいるか? 風呂に一緒に行こう」半さんがやってきた
が、勝さんは聞こえないふり

「居るんだろ?開けるぞ なんだ、盤に向かって珍しいな 詰め将棋か面白いな 何かに出ていたのか? えっ、雑誌の懸賞金付きだって? ほう、面白そうだな  あぁ駄目だよそんな所に駒打っちゃ 俺にちょっと貸してみなよ」
勝さんは盤と駒を半さんに渡した

 

「あぁっと、そうだなぁ・・・・・う~ん」

「つまろうかね?」

「えっとここに打つとこう逃げて どうだ、ここに金が効いている こう打つと・・・・」

「つまろうかね?」

「持ち駒は?金銀と府が3枚?それだけか? うぅ~ん」

「つまろうか?」

「これは駄目だ 俺にはつまらねぇ」

「言いやがった!!1円!!」

 

「おい、何飛びかかって来てんだよ 待ってくれ、俺が一生懸命考えていたら・・・そうか、そう言うことかw

金銀歩三枚で王を都詰めとはなぁ、お前の考えじゃないな よほど将棋の上手い人が考えたんだな

誰の考えにしろ敵ながらあっぱれだ 金銀歩三枚で王を都詰めとはなぁ」

「おい1円くれよ」

「わかったわかった、逃げも隠れもしないよ 良く出来てるなぁ あんまりにも出来がいいから一円じゃなく倍の2円やろうじゃないか」

「2円! ありがたい一杯飲める」

「おっと、差し引いとくよ」

 

(≧▽≦) ァハハハッ!! 

 

 

<安兵衛狐>

 

六軒長屋があり、四軒と二軒に分かれている

四軒の方は互いに隣同士で仲がよく、

二軒の方に住んでいる「偏屈の源兵衛」と「ぐずの安兵衛」、通称グズ安も仲がいい

 

ところが、四軒と二軒は仲が良くない

ある日、四軒の方の連中が、亀戸に萩を見に繰り出そうと相談する

同じ長屋だし、グズ安と源兵衛にも一応声をかけようと誘いに行くが、グズ安は留守で、源兵衛の家へ

この男、独り者であだ名の通りのへそ曲がり

人が黒と言えば白

本当は行きたくて出かける用意までしていたのに「萩なんぞ見たってつまらねえ オレはこれから墓見に行く」とへそ曲がりを発揮

 

四人はあきれて行ってしまう

源兵衛、本当は墓など面白くないが、出かける用意もしたことだし、口に出した以上しかたがないと、瓢の酒をぶら下げて、谷中・天王寺の墓地までやってきた

 

どうせ墓で一杯やるなら女の墓がいいと「安孟養空信女」と戒名が書かれた塔婆(とうば)の前で、チビリチビリ

急に塔婆が倒れ、後ろに回ってみると穴があいている

塔婆で突っ付くと、コツンと音がするので、見ると骨

気の毒になって、何かの縁と、酒をかけて回向してやった

 

その晩、真夜中に「ごめんくださいまし」と女の声

はて?誰だろうと出てみると、実にいい女

 

私は昼間のコツで、生前酒好きだった 昼間あなたがお酒をかけてくれて浮かばれたから、ご恩返しにきたと言う

あとはなりゆきで、源兵衛、能天気にも幽霊を女房にした

この幽霊女房、まめに働くが、夜明けとともにスーッと消えてしまう

 

さて、グズ安

夜に源兵衛の家の前を通ったら、女の酌でご機嫌に一杯やっていたのを見た

翌朝、嫌みを言いに行くと、実はこれこれだという

ノロケを聞かされ、自分も女房を見つけようと、同じように酒を持って天王寺へ

 

なかなか手頃な墓が見当たらず、奥まで行くと、猟師が罠で狐をとったところに出くわした

グズ安、皮をむいちまうと聞いて、かわいそうだと無理に頼み、一両出して狐を逃がしてやる

狐は何度も振り返り、頭を下げながら草むらに消えた

また罠にかからないかと心配するグズ安に猟師は

狐は頭がいい、危ない目にあった場所には二度と帰ってこないよ

 

その帰り、若い娘が声をかけるので、グズ安はびっくり

聞いてみると、昔なじみのお里という女の忘れ形見で、おコンと名乗る

実はさっきの狐の化身

身寄りがないというので、家に連れていき、女房にした

 

騒ぎだしたのが長屋の四人

最近、偏屈とグズが揃って女房を貰ったのはいいが、ちょいと癪

そう言えば片方は昼間見たことがない

もう片方は、口がこうとんがって、言葉のしまいに必ず「コン」

これはどう見ても魔性の者だと、安兵衛が留守の間に家に押しかける

 

「まあ、安兵衛は用足しに出かけたんですよコン」

やっぱり変

 

思い切って「あなたはいい女だけど、ひょっとして人ではないのでは」と追い掛け回す

狐女房、あまりの剣幕に怖くなり、たまらずグルグル回って正体を現し、引き窓から逃げていってしまった

 

戻ってきた亭主の安兵衛

狐女房がいなくなったと聞いて慌てて天王寺へ探しに行くと言い、駆けだす

「安兵衛さぁん、無駄だよ、狐は危ない目にあった場所に二度と帰ってこない」

駆け出していったまま帰ってこない安兵衛さんを心配して長屋の四人は探すが何処にもいない
すると安兵衛さんの叔父さんが向こうから歩いてきた
「あっ、安兵衛さんの叔父さん、安兵衛さんはそっちに行っていないですか?」
「いや、安兵衛はこっちにはコン(来ぬ)」
「あっ、叔父さんも狐だ!」

 

 (≧▽≦) ァハハハッ!! 

 ここで中入り

 

 

<二番煎じ>

 

江戸の名物は「武士鰹大名小路広小路茶店紫火消錦絵、火事に喧嘩に中腹、伊勢屋、稲荷に犬の糞」なんて言います

昔は町内に自身番があり、番太郎がいて夜回りをしていた

(自身番は町人地に設けられた番所で、町内警備を主な役割とし、町人によって運営された 自身番の使用した小屋は自身番屋・番屋などと呼ばれた 江戸町奉行所の出張所・町年寄が詰める江戸町会所の連絡所・町内事務所・町内会所・消防団詰所・交番の機能を兼ねた施設である、ここに詰めた番人は番太と呼ばれた)

だがこの番太郎、酔っ払って寝てしまったり寒いので夜回りをさぼったりすることが多かったので町内の旦那連中が集まり夜回りをすることになった

またそれを見回る町役人もいた

今夜も町内大勢の旦那方が番屋に集まる

寒く風の強い夜で、月番が惣助さんにすきま風が入らないようにゴザを立てかけるように言いつけ、こんなに大勢でなく二手に分かれて夜回りをしようと持ちかける

そうすれば一方が回っている間は、片方は暖かい番屋の中で休めるので皆大賛成


言い出しっぺって事で月番さんが先発で夜回りに行くことにした

月番の権限で先発隊を選出して出発

惣助さんに提灯を持たせ、第一陣の夜回りが出発するしたが、誰も何も言わず歩いているだけで拍子木すら鳴らない

惣助さんも寒くて手を出して提灯を持っていたくないので手は懐に、提灯は腰に挟んで歩く始末だ

拍子木を鳴らすように月番が言うと「鳴らしてます」と拍子木係の黒川の旦那

聞こえないじゃないかって言うと「手を出すと寒いんで拍子木を袂に入れて打ってます」

確かに耳を澄ませばコツコツと聞こえるような

鳴子が何だか変な音だと見てみると鳴子係の伊勢屋の旦那は前掛けに紐をぶらさげて歩くたびに膝で蹴る横着ぶり

金棒係の辰さんに至っては握ると冷たいからと紐を持ってズルズル引きずっている

 

誰かが「火の用心」って大声で言わなきゃいけないが寒いから誰も言いたがらない

黒川の旦那、あなたは謡が趣味だから声がいい、是非お願いします

月番がおだてて黒川の旦那に声を出してもらうと

「ひィのよォじん」

と、謡の調子になってしまう
伊勢屋さんに頼むと
「チチチンツン、ひのよおおじいん、よっ」

と新内節、浄瑠璃だ
惣助さんは都々逸になってしまったりして全く締まらない
辰さんは、若いころ勘当されて吉原の火廻りをしたことを思い出し、「ひのよおおじん、さっしゃりましょおお」といい調子、さすが経験者だ

最後の方が少し揺れて途切れ途切れになる感じは北風に向って掛け声が震えているのだという

 

そんなこんなで寒風の吹きっさらしの中、すっかり冷え切って一回りを終え番屋へ戻ると、二組目が出発する

「あァ、そこピタッと閉めてピタッと、ね 隙間っ風が入るってえと寒いから 惣助さん 、炭箱取っとくれ こればっかりの火じゃ暖まりゃしない あたしたちが帰ってくんのわかってんだからねえ、もっと炭をいれておいてくれてもよさそうなもんだ いやー、あの寒さてえのはなかったですねえ みなさんを一の組のほうへね、お誘いしてね、すいませんでした いや、当初あたしね、一の組の方が先にお役御免になってお得だな、楽だなと思ったんですがね、一の組はろくに暖まってないうちにスーッといきなり出ちゃうでしょ? こらぁニの組のほうが得でしたな」

「あの、月番さん」

「なんです、黒川の旦那」

「実は出がけに、娘が、おとっつぁんは寒い中、火の廻りで歩くんだから風邪をひいてはいけない これを持ってって飲んでくれと瓢に酒を入れてもたしてくれましたのでな、これを一つ、皆さんで飲むというのはどういうもんでございましょう」
「黒川の旦那、そういう事をされては困ります ここは自身番屋ですよ そもそもこの中で一番年嵩の貴方だ 他の人がこういう事を言い出したら嗜めるのがお役目でしょう・・・惣助さん、土瓶の中にお茶が入っているから捨てて、代わりにこの酒を入れて」
「土瓶に入れてどうなさる」
「あんたもわかんないねえ、冷で飲んじゃあ毒だからお燗をして飲むんですよ!」

「だってあんた、飲んじゃいけないって」

「そりゃそうです 瓢箪から出るお酒飲んでちゃ、まずいでしょう 土瓶から出る煎じ薬だったら、どうってェことはない それに私も一本持ってきたw」

「ええ、月番さん」

「なんだい惣助さん」

「えー、あたくしね、みなさんがそういうものをお持ちになるんじゃないかと思いまして、あたくし、これ持ってまいりました」

といって懐から取り出したのは猪の肉
「ほう、おかくじらとはいいねぇ でも鍋がないし」

「実は背中に鍋を背負って持ってきました」

「偉い人だねー そういやなんか猫背だなとは思っていたんだが鍋が入ってたの、ええ?」

 ただ湯飲みが一つ、箸が一膳しかないというので順番飲むことにした

そうして一膳しかない箸と湯飲みを回しっこしながらふぅふぅ言って食べ飲みます
酒が入って都都逸まで飛び出す始末

 

「番ッ!」と、外から何か聞こえた

「辰さん、今なんか言ったろ?」

「言いませんよぉ」

「番ッ!」

「あ、表から? わん? ああ、蒲鉾屋のあのアカ犬だな 匂いを嗅ぎつけてね、一書に食いてえってんで来たんだよ、うん」

「番ッ!」
「しょうがねぇなぁ 月番さん追い払ってよ」

月番は「シッ」と、中から追い払う

「番、番ッ!」

「シッ、シッ」

「(表の声、厳しく)これッ、番の者はおらんのか!」

「(震えあがって声をひそめ)おゥい、大変だ! 犬じゃない、お役人! 隠せ 辰さん、土瓶を隠して! 惣助さんも鍋をどこかへ」
「どこかって何処に?」
「そんなん自分で考えて 見えなくすりゃいいんだから」
惣助さんは鍋の上に座って隠し、月番は戸を開けた

「何をしておる?何故見回りに行かぬのだ?」と、お役人

「は、今夜より二組に分かれて廻っておりまして一廻りして、ただいまここで休んでおりますところで、今は他の組が廻っております」
「ほう左様か、拙者が『番』と申したら『シッ』、『番、番』と申したら『シッシッ』と申したがあれはなんだ」

「寒いから火(し)をどんどん起こそう、火だ火だ、火、火、とこう申したんで」

「先程拙者が入ってまいった折に、なにか土瓶のようなものをしまったな、あれは何だ」

「今日は寒うございますから風邪をひくといけないから、薬を煎じて飲もうと、薬を煎じておりました」

「うむ、煎じ薬、風邪藥か ちょうどよい 拙者も両三日前より風邪をひいておってな、拙者にも一杯もらいたい」

 月番、仕方なく湯飲みに煎じ薬(酒)を注ぎ、差し出す

お役人、出された煎じ薬をぐいっと一飲みし、舌鼓を打ちながら

「(低い声で)そのほうたちはこれを飲んでおったのか」

「(覚悟をして低い声で)さいでございます」

「間違いなく、これを飲んでおったかッ!!」

「(身が縮むように)さいでございます」

「(ニンマリ)よい煎じ薬じゃ (さらに飲んで)いま一杯もらいたい」

「あーあ、そうですかぁ(ホッとし、みんなに小声で)よかったよ、これで同罪だよ」

「うむ、体が暖まってなによりだ これ、表戸を閉めよ 棒を支えっ 先程鍋のようなものをを見たが?」

「はあ、煎じ薬は苦ごうございますから口直しが必要で口直しを煮ておりました」

「おーお、さようか 拙者もほしい これへ出せ」
月番、猪の肉も差し出す
「これもまた結構な口直しだな・・・もう一杯くれ」
全部飲まれちゃたまならいと

「えぇ、おそれいりますが、煎じ藥がきれましてございます」と月番が言うと

「なに、煎じ藥がもうないか?」

「はい、一滴もございません」

「うむ、しからば拙者、いま一廻りしてまいる その間に、二番を煎じておけ」 

 (≧▽≦) ァハハハッ!! 

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寄席の後は懇親会
寄席会場だった2F席は居酒屋のレイアウトに戻されます


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飲みホのドリンク類
最初はビール
ビールは苦手だから最初の一杯だけ


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^^)/▽ ( ^^)/▽ 乾杯 

あれ?おでんの色がいつもと違う
今日はちょっと濃いめでした
寒いから麦のお湯割に切り替えて
”二番煎じ”を聴いて熱燗が無性に飲みたくなったけれど飲みホの一覧に熱燗は無いし・・・
仕方なくお湯割をもう一杯
今度は芋で
でも、焼酎お湯割じゃやっぱ違う
やっぱ熱燗が飲みたいなぁ


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まこさんも"二番煎じ"を聴いたら凄く熱燗がのみたくなったと
落語を聴くとその演目に出てきたものが無性に食べたくなるんだよね
”時そば”の蕎麦とか”ねぎまの殿様”のネギマ鍋とか”饅頭怖い”の饅頭に”茶の湯”の羊羹に”明烏”の甘納豆

酔っ払いの噺の”居酒屋”では鰤に酢だこに鮟鱇鍋
そして酒、酒を飲むシーンのある噺はいくつもありますが、どれを聴いても飲みたくなるから困ったもの
で、”二番煎じ”では酒と猪鍋
猪鍋はともかくとして酒は目の前にあるのだからこのままお燗して欲しいところ
でも飲みホに設定されている日本酒”桜の舞”は冷酒扱いの酒(ここのお店では)だからできない
でも飲みたい
じゃぁって事で、正式な燗はできないけれどレンチンならするよって話になって、それでOKと
で、お湯割のジョッキにたっぷり注がれた桜の舞をレンチン
いくら飲みホだって言ったって多過ぎだって^^;
熱燗も熱燗、あっちっちな燗でやってきました
それをフーフー言いながらグビリ
夜回りしてきた旦那衆の気分になっていただきます
煮込みをアテに熱燗
葱が入っていると良かったな
噛むと中から熱い芯がピューッと飛び出すやつ
それじゃあ”二番煎じ”じゃなく”ねぎまの殿様”かw



次回は3月5日
出演は金原亭小駒さん


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喉の痛みを訴え熱を出した下の娘に大騒ぎ

抗原検査をやってみると

テストティックの窓には一本の線

陰性で一安心ε-(´∀`*)ホッ

その後熱も下がり、今も咳き込みますが回復傾向

扁桃炎だったのでしょうとホッとしていたこの週末

上の娘からLINEが着信

なにやら写真も添付されています

それは抗原検査のテストスティックの写真

そこにはクッキリ二本の線

(; ´) ナ、ナンダッテー!!


「今朝喉が痛くて検査したら陽性だった」

恐らく仕事先での感染らしい

えーつ、3回目のワクチンを打ったばかりなのに

ひょっとしてワクチン会場で貰ったとか???

濃厚接触扱いは発症の2日前からだそうで

還暦祝いの日は含まれないから自分は濃厚接触者じゃないものの

上の娘と婿殿は10日間外出禁止

買い物にも行かれません

なので今日の夕刻は食材の配達係

ベスちゃんに野菜や肉や果物など食料をいっぱい積んで配送

そして玄関前に置き配

熱なし、咽頭痛なし、味覚症状なしで偶に咳だそうで

症状的にはそれほど酷くはなさそう

ワクチン効果なのかな

何れにしてもこの10日間、ちょこちょこ配達要請が来そうだ

ついにコロナが身近なところまでやってきたかぁーー)

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