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昭和が香る狸小路で居酒屋寄席 はな家寄席24 [落語]

11月後半の飛び石連休の日曜日のこと
午前中は京都に行く準備でカメラのお手入れ
昼ごはんの後は横浜西口へ


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やって来たのは横浜駅西口北出口近くにある昭和の香りの狸小路


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昭和22年から続くおでん屋さん、”はな家”で寄席があるのです


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この日は滝川鯉丸さんの独演会


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居酒屋さんの2Fが急遽寄席会場になるのです
この日の演目は”鷺とり”、”真田小僧”、そして仲入りを挟んで”竈幽霊”

<鷺とり>

喜六が甚兵衛さんの家に訪ねてきた

「久しぶりやなぁ、今どこに住んでるのや」

「十階に住む身の上で」

「十階とは高いところだ、凄いな、ウチは二階しか無いわ」

「いえ、自分も二階で」

「じゃぁ何で十階なんだ」

「他所のウチの二階に厄介(八階)になってるから合わせて十階の身の上で・・・」

そんなけったいなことを言う喜六に何か金儲けになる事を考えているのかと訊くと、喜六はいい考えがあると言う

それは伊丹のこぼれ梅を撒いて雀をとる「鳥とり」だと

その計略とは、雀がこぼれ梅を食べようとすると用心深い雀が、何か企みがあるかもしれないから食べるなと言う

そこへ江戸っ子の雀が来て平気で食べて見せ、何とも無い美味いものだと言うと、雀達は一斉に食べ始める

こぼれ梅は味醂の絞り粕、酒粕のようなもの

食べているうちに雀達は酔っ払ってきて眠くなってしまう

その頃合いを見計らい、用意していた落花生を撒く

すると雀達は丁度良い枕があったと言って皆そこで寝てしまう

寝入ったところでササ、サァーッと一網打尽という寸法だと

甚兵衛さん呆れながら「試したことがあるのか」と訊くと、喜六は一度やったことがあると言う

こぼれ梅を撒いて雀が食べ始めたとことまでは計画通りだったが、落花生を撒いたら一斉に飛び立って逃げてしまったと

落花生を撒くのが早すぎた、えらい損をしたと残念がる喜六

「損をしたらアカンがな」

「で、別のことも考えています」と、喜六

それは鷺とり

 「ドジョウをつまんでいる鷺を見つけたら鷺にに大きな声で『サギ~ァ~』と言う、鷺は「何やあれ、人間やな、でもまだ距離があるから安心や」と、サギが油断をしているところで、近づき『サギ~』と先ほどより小さな声で叫ぶ 「さっきと声の大きさは変わらないから近くに来ていないから安心だ」と鷺は思うはず そこでまた近づいて『サギ~』とだんだん小さな声になっていくと、鷺は近くに来てはいないと安心してドジョウをつまんでいる そこを真後ろに回ってピョッと捕まえる」

「そんなことでは鷺は捕まらん」と呆れる甚兵衛さん、「鷺が沢山集まる池がある、萩で有名な円頓寺に夜行ってみろ」と、教えた

「行ってきます」

喜六は夜中に円頓寺へ行くが門は閉まっている

植木屋の職人が忘れた梯子を塀に立てかけ境内に入った

よく見ると池には鷺がビ~ッシリと寝ています

何か危険なものが来ないか寝ずの番をする鷺もいそうなものだが今夜の当番はいい加減な鷺なようで一緒に寝てしまっているようだ

喜六はサギの首をつかんで持ち上げてみたが全然寝ていて起きない

こりゃ~しめたと、入れ物がないので手当たり次第のサギの首をつかんで帯の間に挟み込んだ

もうこれ以上は無理となって、帰ろうと塀に上がり梯子を探すが見当たらない

寺の夜回りが片したらしい

塀の上でうろうろするうちにあたりが白み始め、一羽のサギが眼を覚ます

寝ぼけながらもやっと人間に捕まっていることが気づく

仲間のサギを起こし、喜六の帯の間に挟まったまま羽ばたき空へ飛び出した

驚いた喜六、どこかにつかまる物はないかとサギに運ばれながら探していると目の前に鉄の棒

必死にこれにつかまり、帯の間のサギを逃がして一息ついてあたりを見回し、ここが天王寺さんの五重塔のてっぺんだと分かる

下では何か変なものが天王寺さんの五重塔のてっぺんにくっついている、天王寺さんに何か異変が起こったのかと大勢が集まって来た

よく見ると人間がしがみついていのだ

寺の方でも放っておられず、五重塔の下で大きな布団の四隅を僧が持ち、ここへ飛び降りろと大声で叫ぶが上の男には聞こえず、大きな紙に「ここへ飛べ、救うてやる」と書いて喜六に見せる

やっとこれを了解した喜六、「一、二、三(ひい、ふのみ)で飛び降りた

うまく布団の上へズボッと落ちたが、坊さんたちが一生懸命、力一杯布団の四隅を引っ張っていたもんだから、トランポリンのように弾んで男はもとの五重塔のてっぺんへ逆戻りしてしまった

(≧▽≦)/キャハハッァ♪♪


<真田小僧>

 

「氏より育ち」と言って、育て方は難しいものです

「孟母は家を三度転じたり」、と言うように子供のために環境を考え三度も転宅をしたそうで

 長屋の一人息子は、何か言いたげに火鉢の灰をかき回している

「おとっつぁん、お茶いれようか」

「いや、いらない」

「じゃあ、日頃お疲れでしょ 肩揉もうか」

「いや、肩は凝っていない」

「じゃぁ、腰さすってやろうか」

いやいらないと言っても親孝行したいなどと殊勝なことを言う

「とうちゃんは偶の休みにのんびりしているんだ 親孝行したいのなら、黙って外に遊びに行ったらいい」

「だって行くのには・・・」

「子供はハッキリ言いな」

「小遣いおくんな~」

「ハッキリ言いやがったな~ 今日の分は貰ったんだろ」

「もらったから明日の分貸してよ」

「明日になったら小遣い無いだろう」

「明日になったら明後日の分借りちゃうもォ」

「ドンドン借りていったら判らなくなるだろう?」

「そこが付け目だ」

「ダメだ」

「どうしても呉れないのなら、考えがあるぞ おっ母さんに貰うからいいや」

「おっ母さんのオアシはお父っつあんが預けてあるんだ だから『オアシをやるな』と言えば上げないよ」

「そうかなぁ、おとっつあんに『言い付けちゃうぞ』と言えば驚いて呉れちゃう」

「それって何だ」

「お父っつあんの居ないとき、おっ母さんの好きな人が来たと言ったら直ぐに呉れちゃう」

「チョットこっちに来い。俺の居ないときに何が有ったんだ」

「有ったんだとは甘いな」

「話せば小遣いやる」

「小遣い呉れれば話す 話して、小遣いやらないと言われても、話返せとは言え無い 寄席だって、木戸銭は先に払う」

「1銭やるから話をしろ」

1銭と聞いて不承不承話を始めた、「お父っつあんが横浜へ仕事に行ったとき、白い服を着てステッキを持ち、世を憚るのかサングラスした男の人が尋ねてきた おっ母さんは『ウチの人が居ないからお上がりなさいよ』と手を取って部屋に上げた」

「そっ、それで・・・」

「一銭だと話はここまで 続きはもう二銭くれたら話す」

「仕方ないな・・・ほれ」と、二銭出した

「それでおっ母さんは10銭呉れたよ 『表に行って遊んでおいで しばらく帰って来ちゃダメだよ』と言うから遊びに行っちゃった」

「バカヤロウ そん時は家に張り付いているんだ」

「直ぐ帰ってきたら、入口の障子が閉まっているんだ 指で穴開けて覗いた そしたら、布団が引いてあって、座布団じゃないよ 寝る布団 で、その男の人がおっ母さんの体に覆いかぶさって体を触って、おっ母さんたら、『あっ、そこ』とか『あっ、気持ちいい』なんて言っているんだ そうしたら男の人の顔が見えてさ、それがオイラも知っている人だったんだ お父ちゃんも知っていると思うな で、誰だか聞きたい?もう3銭おくれよ」

「やな野郎だな キレ場作って」

「嫌ならいいんだよ 知らない方がいいことってあるし 刃傷沙汰になるのもねえ」

「気になる言い方をしやがる」

「これからが一番イイところなんだ 3銭呉れたら全部話をするよ」

子供のペースになって更に3銭出すことになった

「障子を開けると、横町の按摩さんが肩揉んでたんだ アリガトウ」、と飛んで行ってしまった

いつの間にかおかみさんが湯から戻ってきていて障子越しにやり取りを聞いていた

6銭ふんだくられた亭主に呆れながら、息子に知恵が付いたと言うが、親父は悪知恵だとボヤく

「同じ知恵でも、真田三代記に出てくる、与三郎という子供は十四歳の時、お父っつあんや家来一堂が危ないときに命を助けた 武田勝頼という人が天目山で討ち死にするとき、信州上田に真田安房守昌幸が助太刀に来る途中で敵の軍勢に取り囲まれてしまった 敵は大勢で味方は少ないし、旅の戦だから兵糧が尽きてしまう 見苦しい死に方をするなら城を枕に討ち死にしようとした時、その子供で与三郎が『父上、これ位で驚くなかれ 願わくば我に永楽通宝の旗を六流れ許してくれたらこの囲みを解いて落ち延びてみましょう』と願った 真田の紋は”二つ雁金”で”六連銭”は敵の松田尾張守の旗印で、息子が敵の旗印を持つのは何か策があろうと許した この旗を持って大道寺駿河守に夜討ちを仕掛けた 松田尾張守と大道寺駿河守は、敵同士でも仲が良くないと子供心にも判っていた 同士討ちになり、その戦の最中真田軍は信州に落ち延びた 与三郎は真田幸村となって大坂方の軍師になった このため東軍は散々苦労をすることになったが、最後は策も尽きて討ち死にしたと言うが、薩摩に落ちたと言う説もある 自分は薩摩に落ちたと信じてる」

「ウチのあの子もこの位にはなれるかしら」

「何言ってんだ なわけない・・・・ん?おっかぁ、見ろよ帰ってきた」

「どこだい?」

「戸袋の陰で耳だけ出して、こっちの話を聞いているんだ」

「上がれ」

「お父っつあん怒っているからイヤだ」

「怒っていないから上がれ」

「怒っているよ。じゃ~、笑ってごらん」

「子供にあやされてるよ」と呆れるおかみさん

「さっきの6銭ここに出せ」

「もう無いよ 講釈聴いてきたから・・・」

「何聴いてきたんだ」

「真田三代記」

「なんだ今言っていた話じゃないか 長い話だ、覚えているところだけでも言ってみな」

先程話していた真田幸村の武勇伝をスラスラと話してみせた

「良く覚えたな 許してやるから外に行って遊んでこい」

「お父様にお聞きしたい」

「気持ち悪いな 何だ」

「紋てナ~ニ 家のは?」

「紋て言うのは印だ 我が家は”カタバミ”だ」

「六連銭って何あに?」

「銭が3個横に並んで、二列有る おっかぁ、銭出せ」、銭を並べて六連銭の旗印に並べた

「こんな感じに並ぶんだ 面白いな やらしてみて」

その銭を持って逃げだした

「待てッ、それで講釈聞きに行くのか」

「講釈じゃない、薩摩芋を買って食べるの」

「ウチの真田もサツマに落ちたか」 

ヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆


ここで仲入り


<竈幽霊>

 

道具屋に竈を買いに来た客が、気に入って3円で買って行った

その夜の2時頃、表の大戸を激しく叩く音がする

開けると昼間竈を買い求めた客で真っ青な顔で「買った竈を今すぐ取って」と言う

道具屋の決まりで半値の1円50銭でしか引き取れないと言うと、それで構わないから早く引き取って欲しいと

真夜中なので翌朝に引き取りに行くと言うと客は友人宅に行く、あの竈のある家には居られないと言う

そして翌朝竈を引き取り、また店先に並べた

その日のうちにまた3円で売れた

その夜、2時頃に表の大戸を激しく叩く音がする

開けると昼間竈を買い求めた客で真っ青な顔で「買った竈を今すぐ取って」と言う

道具屋の決まりで半値の1円50銭でしか引き取れないと、1円50銭で引き取り又店先に並べた

その日のうちに又3円で売れた

そして夜中の2時に表の大戸を激しく叩く音が・・・・

返品のあるたびに儲かるが、そのうち他の商品も売れなくなってしまった

そして主人が近所で変な噂を聞いた

その竈から幽霊が出ると言うのだ

そしてこの店の商品全部から幽霊が出るとも

そんな噂の中、また竈が売れて、また夜中にの大戸を激しく叩く音がする

道具屋の決まりで半値の1円50銭でしか引き取れないが、何か事情がありそうなのでその話を聞ければ全額返金すると言い、話を聞いた

「どういう訳か寝付けず、その内へっついの角からチョロチョロと青白い火が出ると、痩せた青白い男の幽霊が出て『金返せ、金返せ』と言うんだ ふとんに潜ると枕元で『金返せ、金返せ』と言う 幽霊の追い剥ぎにあったのは初めてだ あの竈、今すぐ取って取って取って」

翌朝へっついを引き取ったものの街の噂になっていてこれでは売れる訳はない

夫婦が裏の台所で「1円付けて誰か貰ってくれないか」と相談をしていた

それを裏の長屋に住んでいる渡世人の熊五郎が、耳にした

相棒として勘当された若旦那の銀ちゃんを連れて、1円の付いたへっついを貰い受けた

表通りから路地に入りどぶ板につまずいた銀ちゃんがトントントンとのめり、掃きだめに竈の角をぶつけると白く丸い物が銀ちゃんの足元に転げ出た

「幽霊のタマゴが出た!」

縄が切れたので近くの若旦那の家に放り込んで、熊さん家で白い包みを開けると10円金貨で30枚

ポンと半分に分けて、50銭も分けて、若旦那は吉原に熊さんは博打場に・・・

二人とも一銭も無くして翌日帰ってきた

その晩、若旦那の土間のへっついから幽霊が出て「金返せ、金返せ」

翌日、熊さんは若旦那の実家に行って300円の金を借りてきた

竈を若旦那の所から自分の家に運んで夕方から幽霊が出るのを待っていた

幽霊はあまりの熊さんの剣幕に正面から出られず、後ろからビクビクしながら現れた

何故出るのかと問う熊さんに

「私は左官の長五郎で、博打が三度の飯よりも好きなんで で名前が長ですから丁ばかりを張って楽しんでいた ある時これが大当たり、回りから金を貸してくれの融通してくれの懇願、これでは無くなってしまうと竈の角に埋め込んだ 当たっている時は恐いもので、その夜フグに当たって死んでしまった 地獄も金次第だと言うから、この金を閻魔に叩き付けて極楽に行きたい それで竈から金を出してもらおうと出るがみんな目を回すか、逃げ出して用にならない そこに行くと旦那はエライ」

「分かった、ここに300円あるが全部持っていくんではないだろうな」

「どうするんですか」

「半分分けの150円ずつでどうだ」

「それはヒドいや 300円なら閻魔も話を聞いてくれそうだが150円じゃ極楽に行けそうも無い」

「嫌か それでは出るところに出て、話を付けようじゃないか」

「しょうがないや」

それではと言うので150円ずつの金に分けたが、「お互い中途半端な金だからどちらかに、おっつけっこ、しようじゃないか」と、熊さん

「おっつけっこってどうするのです」

「もちろんこれよ」と、熊さんはサイコロを出した

喜ぶ博打好きの幽霊の長五郎

サイコロの様子を見るのに下げた手の中で転がす

熊さんはサイコロを壺の中に入れて場に伏せ、どちらでも良いから張れと言う

「私は長五郎、丁しか張らないので、丁だ」

「いくら張る」

「150円」

「いいのかい全部で そうか、良い度胸だな」

「度胸が良いのでなく、モタモタしていたら夜が明けて金もなく帰らなくてはならない」

「いいかい 開けるよ 勝負 五六の半」

「あぁ~」

「幽霊がガッカリしたのは初めて見たが、いい格好ではないよ」

「親方もう一度入れてくださいな」

「それは断ろうじゃないか お前ぇの方に銭がないのが分かっているんだから」

「へへへ、親方、あっしも幽霊だ 決して足は出さねぇ」 

 

ヾ(*>∀<)ノ゙キャハハッ

落語の後は懇親会
会場だった二階席がそのまま懇親会の会場


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いつもの飲み放題の他に


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この日のアテ
カレー味の煮込みは自分のリクエスト^^
カレーとモツ、結構合うんだよね♪


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( ^^)/▽☆▽\(^^ ) 
ビールを二杯飲んだ後はひたすらワイン
でも翌朝は朝イチの新幹線で京都に行きますから飲み過ぎないようにセーブ
でもさ、明日の天気予報は傘マークだし(涙



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もう12月なのですねぇ

今年も残り四週間ちょい

一年が速過ぎる

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