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昭和が香る横浜西口狸小路で居酒屋寄席 はな家寄席29 [落語]

9月の最初の週のこと、横浜は西口にある狸小路へ出かけました
この狸小路にある居酒屋さん(おでん屋さん)”はな家”では奇数月に落語会が開催されるのです


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駅側の電光掲示板が消灯していたので節電かと思いきや、モアーズ側の電光掲示板はちゃんと点灯
駅側のが壊れていただけなんだね
でも二ヶ月前も駅側のは消灯していました
何故壊れたまま?半導体不足でパーツが手に入らないとか????


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13時半開場
椅子に背もたれが無く、腰痛持ちにはちょっと辛い
なので開場時刻と同時にINを目指します
何故ならば


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壁にもたれたいから^^;
居酒屋の二階が落語会の会場になります
この日は金原亭小駒さんの独演会
木戸銭は2500円(前売りだと2000円)、飲みホの懇親会も2500円

 

 

<ぞろぞろ>

吉原田んぼの真ん中にある太郎稲荷

以前は繁盛していたが今は参詣人もなく寂れ、お堂は傾き、「正一位太郎稲荷大明神」の幟も古ぼけ破れかけている

太郎稲荷の前にある一軒の茶店にも客がなく、荒物、飴や菓子を売ってなんとかつないでるものの生活は苦しい

店主の老爺は妻の老婆に「売り上げがないため、仕入れもままならず、商品はわずかな駄菓子と、天井に吊るしたまま長く売れ残った草鞋1足だけだ」と不満をぶちまける

老婆が「なにごとも信心だから、お稲荷様にお参りに行ってはどうですか」とすすめるので、爺さんはどうせ暇だしと言うとおりに神社にお参りに行くことにした

お参りに行った爺さん、あまりの寂れようにお稲荷様に今までお参りに来なかったことを詫び、商売繁盛を祈り、そして境内を綺麗に掃除した

爺さんが店に帰る途中、急に空は曇り、今にも降り出しそうになって爺さんは急いで帰った

店に入った途端、激しい雨

「雨が急に降ってくるなんてご、お参りしたのになぁ」という爺さんに婆さんは

「あら、降ってきても濡れずに帰ってこられたんだからご利益あったんじゃないの」

と言っているところに人が店に入ってきた

「どちら様で なんのご用でしょうか?」と問う爺さん

「いや、ここは茶屋だろ?客なんだが」

「すいません、お客さんなんて随分久しぶりなんで・・・何をさしあげましょう^^;」

「いや、急な雨で泥濘みが酷くてな 履いている擦り切れた草鞋じゃ歩けたもんじゃない 草鞋をひとつくれないか」

と、最後に残っていた草鞋を買い、お茶も一杯飲んでお代を置いて出て行った

老夫婦が「ご利益だろうか」と感じ入っていると、別の客が来て「ワラジをくれないか」と店主に注文する

「申し訳ありませんが、たった今売り切れてしまいまして・・・・・」

「何を言っている? 後ろにあるのは草鞋じゃないのか? そこに1足吊っているではないか」

爺さんが振り返ると、売り切ったはずのワラジがあるので驚いた

もう一足あったのかなとそれを売った

その客が出て行くと入れ替わりにまた客が来て草鞋をくれと言う

「すいません売り切れです」と言うも客は「後ろを見ろ」と

爺さんが振り返ると確かに一足ぶら下がっている

おかしな事があると、天井を見ながらわらじを引っ張ると、引っ張ったあとから天井からぞろぞろっとまた一足、わらじが現れた

一足売れて引っ張るとまたぞろぞろっと一足下りてくる

「これはお稲荷様のご利益なのかな」と、驚く爺さん

「じゃぁ天井裏にお狐様がいて草鞋を編んでいるのでしょうかね」と婆さん

さあ、こうなると評判の立つのは早い

茶店のわらじを一目見ようと見物人が押しかけ、土産にわらじを買って行ったりで茶店も大繁盛

これが太郎稲荷のご利益というのでこちらにも参詣人が押し寄せ、お堂も立派になる

茶屋の向かいに髪結床があった

店の主人は暇で自分のひげを抜いている有様だ

茶屋の爺さんから繁盛は太郎稲荷のご利益だと聞いて、自分も太郎稲荷へお参りに行った

そして茶店同様のご利益を授けてくださいと百度参りの願かけた

その7日目のこと、お参りから帰ると店に溢れるほどの客が来ている

これも太郎稲荷のご利益と早速、一番目の客に取りかかる

「最初のお客様は何方ですか ここへ座ってください」

「ひげをやってくんねえ」と客

床屋の主人が自慢のかみそりを当てて、すう~っと剃ると、後からひげがぞろぞろ

 

 (≧▽≦) ァハハハッ!!  

 

 

<錦の袈裟>

 

町内の若い職人衆の一人がこんな話を聞いた

隣町の若い衆が高価な縮緬(ちりめん)で揃いの長襦袢(ながじゅばん)をあつらえ、吉原へ繰り出して上着を脱いで総踊りをしたという

そして「隣町のやつらはしみったれでこんな派手な遊びは出来ねぇ」なんて自分達の町内をさんざん馬鹿にして帰ったと。。。

 

こんな事を聞かされたら、町内の連中も我慢ならない

こっちも負けないでおつな趣向で見返してやろうと息巻く

なんとか見返してやろうと話合っていると、誰かが縮緬よりも高価な錦(にしき)で下帯をこしらえようと言い出した

「錦の布の揃いの褌で総踊りしたらワッと驚くぜぇ」

「だめだ 1寸幾らという高価な布で、我々が先に驚いてしまう」

「実は伊勢六質屋の番頭に『質流れの錦の布が10枚あるので、何かの時は使ってください』と言われていたんだ」

値段も手頃で「それに決めよう」で衆議一決

ただ問題がって、錦の布は10枚、こっちの人数は11人で一枚足りない

でも「与太郎はカミさんが怖いから行かないんじゃないかな 大丈夫だろう」となって揃いの錦のふんどしを10枚作ることにした

そこに現れた与太郎さん

吉原に行くかと聞くと、案の定、女遊びをするのにおかみさんに聞いてみるという

「来る時は錦の褌でなければダメだぞ おまえのカミさんははねっかえりだから『行かせないと後で女房がバカにされる』って言えば錦のふんどしも何とかしてくれるかもしれん」

 

うちに戻った与太郎さん、鬼より怖いおかみさんにうかがいを立て、仲間のつき合いだというのでやっと行くことを許してもらったはいいが、問題は錦の褌

『錦の褌を用意できないと女房がバカにされる』とカミさんに訴えてみた

訴えられても錦なんて高価な布なんて用意できない

与太郎さんと違い頭の回転の早く、知恵が浮かぶカミさんは「お寺さんに行って借りておいで」と良い知恵が湧いた

「褌にするから錦の袈裟を貸してくれでは誰も貸してはくれないから、ウソでも良いから『親戚の倅に狐が付きました 偉~い和尚さんの袈裟を掛けると治ると言います どうか人助けだと思ってお貸し下さい』と言えば貸してくれるだろう」

「上手い手だなぁ さすがだ 皆んなもオマエのカミさんははねっかえりだと褒めてた」

「それ、褒めてない」

 

「和尚、親類の子に狐が憑きまして、偉いお坊さんの袈裟をかけてやると憑き物がとれると聞きました どうかお貸し下さい」

と、ご住職さんに掛け合った

それはお困りでしょうと使い込んだ古い袈裟が出された

憑き物を落とすのならば代々伝わる袈裟の方が御利益があるからと勧められたが、和尚さんが身に着けている新しい煌びやかな方をどうしても借りたい

「この憑き物は新しい袈裟じゃないとダメだそうです」

しかし、これは納め物でその人の法事が明日あるので貸すわけにいかないと和尚

それを明日朝には必ず返却するという約束でやっと借りられた

 

うちに袈裟を持って帰りカミさんに見せる

あまりの上等さに驚くカミさん

「絶対明日の朝には返すんだよ お寺をしくじったら大変なことになるからね」

そう言いながら袈裟を褌に締めてくれた

袈裟の白い丸いものが邪魔してサマにならなかったが、取り去る訳にもいかずそのまま出掛けた

集合場所で仲間と褌の点検があった

見比べると与太郎の褌が一番煌びやか

 

そして、袈裟を金色の袈裟を下帯がわりに締めた与太郎は町内の連中と吉原へ繰り出して行った

吉原では芸者幇間を揚げてどんちゃん騒ぎ、最後に尻まくりをして総踊りをした

当然座は盛り上がり大盛況
芸妓が奥に戻って女将から聞くには、「あれは職人ではなく、大名の隠れ遊び」だと言う

「高価な布を下帯にするのは、普通の人では出来ない できるのは大名ぐらいだよ」

あの中にお殿様が居るがそれが誰かわかるかと女将は芸妓に言った

「あそこにいるぼーっとした人 鮮やかな刺繍の下帯、あの方が一番偉い若様だよ あとの連中はお付きの家来だね」

「そのぼーっとした人がお殿様ですか?」

「そうだよ お殿様なんて悩みなく育っているからどうしてもぼーっとした人になってしまうのさ それに証拠はあの丸い輪っか」

「あの丸い輪っかは何です?」

「高貴な人は不浄なものは触らない 小用を足す時に素手でチンを持つのは不浄なので輪に通してするのだ その後白い房で払うのだ」と、女将はチン解釈を芸妓達に授けた

「殿様のお相手になった”むらさき”さんは幸せ者で、玉の輿に乗れるかも知れない 他は家来だからほっときなさい!」
 と言う事で、与太郎さんはめちゃめちゃモテた

その代わり、仲間連中は全員振られてしまった

 

朝、「大一座振られた者が起こし番」で、起こし合ったが誰も女は来なかったという。与太さんが居ないのに気づき、部屋に訪ねるとまだ屏風を立て回してむらさき花魁と布団の中「何だよ 与太郎だけがモテたのかよ」

「早く、起きろ」に、「起きたいけど花魁が起こしてくれない」とのろけられ、踏んだり蹴ったりだ

「花魁早く起こしてくださいよ」

「無礼である 下がれ家来ども!輪無しやろうが・・・」

「輪無し・・・??」
「与太、先に帰るぞ」

「だめだよ 一緒に帰るよ」

と、むらさき花魁は与太郎さんにしがみ付き

「いけません 主はどうしてもケサ(今朝)は返しません」

「それは大変だ ケサ(袈裟)を返さないとお寺をしくじっちゃう」

 

(≧▽≦)/キャハハッァ♪♪ 

 

ここで仲入り
休憩の後もう一席
 

<百川>
 

百川は、江戸から明治時代の初めまで続いた懐石料理屋

幕末のぺリー来航の時、ここの料理を江戸城に運ばせてもてなし、その時の費用が弐千両だったといいます

この噺、実際にこの百川であった事を噺に起こしたとも百川の宣伝用に作られたとも言われます(多分両方じゃないかなぁ)

 

日本橋浮世小路にあった名代の料亭「百川」

葭町(よしちょう)の桂庵(けいあん)、千束屋(ちづかや)から、百兵衛という新規の抱え人が送られてきた

田舎者で実直そうなので、主人は気に入って、当分洗い方の手伝いを、と言っているときに二階の座敷から手が鳴る

しかし誰も行く様子がない

なぜ誰もいかないかと奥に行くと折悪しく髪結いが来て、女中はみな髪を解いてしまっていた

「常連さんだからこのまま出ましょうか?」と女中が言うも、いくら常連さんとは言えそんな姿で座敷に行かすわけにはいかない

かと言って主人自ら行くわけにもいかない

困った旦那は、百兵衛に、「来たばかりで悪いが、おまえが用を伺ってきてくれ」と頼む

二階では、祭りに間に合うように隣町に返さなくてはいけない四神剣を質入れして遊んでしまい祭りが近づきどうするかで、もめている最中

そこへ突然、羽織を着た得体の知れない男が

「うっひぇッ」

と奇声を発して上がってきたから、一同びっくり

百兵衛が「わしゃ、このシジンケ(主人家)のカケエニン(抱え人)でごぜえます」と言ったのを、早のみ込みの初五郎が

「私は四神剣の掛け合い人です」言ったと聞き違え、さては隣町からコワモテが催促に来たかと、大あわて

ひたすら言い訳を並べ立て、「決して、あぁたさまの顔はつぶさねえつもりですから、どうぞご安心を」と平身低頭

百兵衛の方は

「こうだなつまんねえ顔だけんども、はァ、つぶさねえように願えてえ」

と「お願いした」つもりが、初五郎の方は一本釘を刺されたと、ますます恐縮

機嫌をそこねまいと、酒を勧める

百兵衛が下戸だと断ると、それならと、初五郎は慈姑(くわい)のきんとんを差し出して、

「ここんところは一つ、慈姑(=具合)をぐっとのみ込んで(=見逃して)いただきてえんで」

ばか正直な百兵衛、客に逆らってはと、大きな慈姑のかたまりを脂汗流して丸のみし、目を白黒させて、下りていった

 

「なまじな奴が来て聞いたふうなことを言えば喧嘩になるから、なにがしという名ある親分が、わざとドジごしらえで芝居をし、最後にこっちの立場を心得たのを見せるため、”そっちの具合を飲み込んだ”とわざとくわいのきんとんをのみ込んで笑わしたに違いない」

と初五郎は感心

そして、百兵衛

喉をひりつかせていると、二階からまた手が鳴ったので、またなにか飲まされるかと、いやいやながらも二階に上がる

連中は百兵衛がただの抱え人とわかると、「長谷川町三光新道の常磐津歌女文字という三味線の師匠を呼んでこい」と、見下すように言いつける

「名前を忘れたら、三光新道で”か”の字のつく名高い人だと聞けばわかるから、百川に今朝から河岸の若い者が四、五人来ていると伝えろ」と言われ、出かけた百兵衛

やっぱり名を忘れ、教えられた通りに「かの字のつく名高い人」とそこらへんの職人に尋ねれば「鴨池(かもじ)先生のことだろう」と医者の家に連れていかれた

百兵衛が

「かし(魚河岸)の若い方が、けさ(今朝)がけに四、五人き(来)られやして」

と言ったので、鴨池先生の弟子は「袈裟(けさ)がけに斬られた」と誤解

弟子はすぐさま、先生に伝える

「あの連中は気が荒いからな 自分が着くまでに、焼酎と白布、鶏卵二十個を用意するように」

と使いの者に伝えるよう、弟子に言いつける

百兵衛、にこにこ顔で百川に戻ってきた

百兵衛の伝言を聞いた若い衆、

「歌女文字の師匠は大酒のみだから、景気づけに焼酎をのみ、白布は晒にして腹に巻き、卵をのんでいい声を聞かせようって寸法だ」

と、勝手に解釈しているところへ、鴨池先生があたふた駆け込んできた

「間違えるに事欠いて、医者の先生を呼んできやがって この抜け作」

「抜け作とは どのくれえ抜けてますか」

「てめえなんざ、みんな抜けてらい」

「そうかね かめもじ、かもじ、・・・いやあ、たんとではねえ たった一字だ」

(≧▽≦)/キャハハッァ♪♪

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寄席の後は懇親会

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まずはビールで(* ̄0 ̄*)ノ口 乾杯  

  

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一時期に比べたら量が大人しくなったかな
以前は食べきれなかったですからね
大好きな厚揚げが出てきてハッピー〜♪
って、実は落語会のちょっと前に飲みに行った時に厚揚げをリクエストしておいたから^^; 

 

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ビールの後はひたすら麦の水割りを重ねます
ロックを頼むと水割りのグラスになみなみ注がれちゃうので(しかも氷は小さなのが4つ入ってるだけ)今回はひたすら水割り、これは乗り過ごし防止の為 (この懇親会でロックを飲んだ日は毎回乗り過ごしをやらかすので^^;)
 

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今回は洋風のトマト味おでんが出てきました
やっぱおでんは和風がいいな 
次回は11月の19日、30回記念で真打登場です

 



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そして日は変わって9月の18日のこと
この日は相鉄線の上星川に行ってきました
台風接近の不安定な空模様で出かける時は豪雨状態


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落語居酒屋・ライブバー こまむ亭でSSブロガーよーちゃんの参加するバンド、ニューキャッスルのライブがあるのです
そして可笑家きゃらめるさん(SSブロガーのよーちゃん)が落語を一席
13時半、お店に入るとkinkinさんが既に到着


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飲みながら聴くのはいいですねぇ
また面白い歌詞の曲がいっぱいでしたよ


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昼ごはんを済ませてから行ったので流石にお腹にはいりません
とりあえずお通しをアテにビールを飲んだらチーズケーキをアテに米焼酎をいただきます
ここのロックは常識的な量でしたので安心して重ねました
演奏の後は落語、演目は相撲場風景


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<相撲場風景> 笑家きゃらめる さん(SSブロガーのよーちゃんさん)

相撲は取る方も見る方も力が入る
そんな大騒ぎの相撲観戦をオムニバスで仕立てたお話

遅れて観戦に来た男、場所を取っておいてくれた連れに取り組みを訊くも判らないと言う
朝から五時間も此処にいて判らないと言うことはないだろうと言うと向こうの背の高い人の頭が邪魔で土俵の相撲が見えないと言う

「もしもし、その前のほぉに座ったはる背ぇの高い人 そぉそぉあんたあんた、今、後ろ向いた人、あんたです 背ぇが高こますねん ちょ~どね、あんたそこに座ったはるとね、あんたの頭だけ邪魔になってね、ここ後ろ四、五人皆目、土俵の相撲が見えまへんねん すんまへんが、その頭どないぞしてもらうわけにいきまへんか?」
「あぁさよか、そらえらいすまんこってした この頭どぉいぅふぅにさしてもらいまひょ?」
「へぇ、その場所でよろしぃさかいね、すんまへんけどちょっと前へ頭下げてうつむき加減になっててもらいまひょか」
「あぁなるほど、ここでうつむきますか へぇ分かりました、ちょっと待っとくれやっしゃ……、こんなもんでどぉです?」
「えらいすんまへんけど、もぉちょっと前へ下げてもらえまへんか」
「あぁさよか……、こんなもんでいかがです?」
「えらい無理言ぃますけど、もぉちょっと何とかなりまへんか?」
「それやったら、いっそのことこれでどぉです?」
「あぁ、おおきありがとぉ お陰でよぉ見えるよぉになりました」
「ところが、こっちが見えまへんで これやったら前の人の足の裏ばっかし見てまっせ」
「ほなこぉしまひょか、今度は前やなしに、その頭横のほぉへポイッと振ってもらえますか、へぇ、横のほぉにポイッと振ってもらいまひょか」
「横っちゅうと、つまりこぉいぅふぅにしまんのんか?」
「へぇへぇ、そぉでんねん 何べんも無理言ぅてえらいすんまへんでした おおきありがとぉお陰でよぉ見えるよぉになりました あんたも見えてますか? ならよろしぃなぁ あんたも見えりゃ、こっちも見える 双方の顔が立ちました」
「こっちの顔、倒れてまっせ」

そぉかと思いますと、こちらではこれからいよいよ自分の贔屓の力士が仕切りに入って立ち上がるといぅので、こらまた大ぉきな声張り上げて唾が飛ぶのも構わず夢中んなって応援してます

「よぉ、しっかり取れよッ! 立ち上がったら相手の褌(みつ)を先パイッと取れ、相手の褌をパイッと 相手に褌を先取られたら負けやで、えぇか、先に相手の褌をパイッと取れよ、立ち上がったらパイッ!」

あまりに唾が飛ぶのでたまらないのが前の人

「あのぉ、声は何ぼ大きな声出してくれはってもよろしぃねんけどね、すんまへんけど、その後ろで「パイッ」ちゅうのんやめてもらえまへんか もぉさっきからわたしの頭、唾だらけなってまんねや すんまへんけどひとつ、唾のかからんよぉに頼んまっせ」
「あぁさよか そらえらいすまんこってした、うっかりしてましたんで いぃえぇ、大丈夫です、もぉ唾のかからんよぉに応援さしてもらいま、えらいすんまへんでした」

今度は唾が飛ばないよう応援することにした男、声を出さないと今度は体が動いてしまう

「さ、いま言ぅたとぉりや、立ち上がったら相手の褌を先取れよ、おっと立ち上がった、立ち上がったら相手の褌を先取んねん、相手の褌を・・・相手に褌を先取られたら負けやっちゅうねん
相手の褌を取らんかい、褌をッおいッ、褌を取らな負けやでッ、褌を取らんかい褌を。褌を取れよッ! 取ったらんかい褌ッ! 褌を取れよッ! 褌を取らんかい褌をッ! 褌を取れよッ!」

さぁ、こぉなったら応援してるほうは夢中ですから、しまいには自分が相撲取ってるよぉな気になって、前に座ってる人の帯をば後ろから掴まえ、一生懸命、力入れてしまう

「相手の褌を先取れっちゅうねん、まだ褌が取れんのか? こぉいぅふぅに取ったらえぇねん、相手の褌をこぉしてギュ~ッと」
「もし・・・、もし、不意に後ろから人の帯を掴まえてどないしなはんねん?」
「こぉ取ったら離さんぞ」
「そんな無茶言ぅたらいかんなもし「離さんぞ」て、離してくれないかん またあんた、えらい力やなぁ そぉ力入れて引っ張ったら帯が切れる、帯が」
「切れるよぉな安もんの帯、どこで買ぉた?」
「ほっときなはれ」

帯で揉めてるかと思うと、こっちはこっちで大きな握り飯をたくさんに作って持ってきたやつ、この握り飯を一つだけ右の手に持ちよって、おのれの頭の上で振り回しながら応援しています

「さッ、しっかりやれよしっかり、頼むで 今、この握り飯食ぅて腹に力付けて応援したるさかい しっかりやれよ、しっかりッ、しっかり取れよ!」

食べるのやったら早よ食べたらえぇのに、いつまでも握り飯振り回してますと、この人の真後ろへ座った人、可哀想に朝一番に来たから朝から何も食べていない
腹をペコペコに減らしたその人の目の前を大きなおにぎりがウロウロウロウロ・ウロウロウロウロ
これはまったものではありません

殺生やでこの人は・・・いつまでも振り回してんと、食べんねんやったら早よ食べはったらえぇのに
お握り飯が気になってしゃ~ないがな しかし大ぉきな握り飯やなぁ、この際この大きな握り飯が一つでもあったら、ちょっと腹の足しになんねんけどなぁ・・・
と、思っているのですが前の人はそんな人の気持ちも知らず

「よッ! しっかり取れよしっかりッ!」
「取ってもよろしぃか?」
「しっかり取れッ!」
「うわぁ~、さよか ほんだらえらい厚かましおますけど、お言葉に甘えて取らしてもらいまっせ、おっきご馳走さんです」
「しっかりやれよ、しっかり取れよ・・・今、大きな握り・・・、握り飯あれへんがなこれ? ちょっとつかんこと尋んねますが、今、そこらへんへ握り飯飛べしまへなんだか?
えっ?飛んできてない? さよか、いや実はね、わたし確か右の手で一つ握り飯持ってたんですわ
今、食べよと思て気が付いたら無いもんでっさかいね、ひょっとしたらそのへんへ飛んだんと違うかいなぁと思て尋んねましてんけど、おまへんか・・・おかしぃなぁ、確かこっちの手で一つ持ってたはず
あッ、そぉか えらいすんまへん分かりました いぃえぇ、わたし相撲の応援で夢中になってるもんでっさかいね、食べたん忘れてまんねん
食べましたんですわ、えらいすんまへんでした
・・・・・
うぉ~いッ、握り飯食ぅたん忘れるほど、こないして夢中になって応援してんねんで しっかり取れよ、も一つや」
「も一つ取ってもよろしぃか?」と後ろの男
「しっかり取らんかいッ!」
「さよか、ほな取らしてもらいまっせ」
「しっかりやれよ、えぇか頼むで、今度は・・・、またあれへんがな」

握り飯で揉めているかと思うとなかに一人、さっきから真っ青な顔をして、涙ポロポロポロポロこぼし、泣きながら相撲を見てる人がいる
それをまた、そばに座ってる人が親切に尋ねています     

「もしもし、もし、あんたあんた いぃえぇ、あんたがさっきからね、そこで真っ青な顔して、おまけにそないして泣きながら相撲見たはりまっしゃろ
あんたのことが気になるもんでっさかいね、皆目、土俵の相撲に身が入りまへんねん どないしはった? ひょっとしたら、お腹でも痛いのと違いますか?」
「よぉ尋んねとくなはった、わたし泣いてんのん、お腹が痛いのんと違いますねん ションベンがしたいんです」
「ションベンがしたい? それやったら何もそこで真っ青な顔して泣いたはることおまへんやろ、ションベンがしたいねやったら、便所行てきはったらどぉでんねん?」
「そない言ぅていただかんでもよぉ分かってるんですがね、今日はご覧のとぉり朝から満員でっしゃろ、もしわたしが便所行ってるあいだに、この場所、人に座られたら困ると思て、もぉこれで九時間から辛抱してまんねん」
「朝からって・・・九時間も我慢していたんでっか よぉ九時間も辛抱しはりましたなぁ、そんなことしはったら体に毒です よろしぃよろしぃ、わたしが責任持ってその場所、人に取られんよぉに見てたげますから安心して、今のあいだにゆ~っくりと行といなはれ」
「うっううっ、今の一言、せめてもぉ一時間でも早よ、そない言ぅていただいたら何とかして行けたんですけどね、今はもう限界です、恐らく、もぉ体動かすことすらできません 皆さん方にはご迷惑ですが、ボチボチここらで・・・・」
「あかんあかん、こんなとこへじかにしられたら、端に座ってるもんが迷惑しま よろしぃよろしぃ、あんたが「もぉ体動かすこともでけん」と言うのならその場所で、ほかの人に迷惑のかからんよぉにさしたげま
ちょ~ど都合よぉね、さっきから向こぉで酒呑みが一升瓶空にしてよぉ寝たはりまっさかい、あの空いた瓶を使わしてもらいましょ その代わり言ぅときまっせ、早いことしなはれや、よろしぃな 済んだらまた、ソォ~ッと瓶返しとかなならんさかい、早いことしなはれ」

酔っ払いの空いた一升瓶を引き寄せ、真っ青になっている男に渡した

「おっきありがとぉ。このご恩は一生わすれません」
「そない大層ぉに言ぃなはんな、早いことしなはれ、早いこと・・・えぇ? 何です? 仕方が分からん? 要はその瓶の中へしはったらよろしぃねん いえいえ難しいことおまへん、簡単にでけます つまり、その瓶の口へあんたのパイプをスッとハメはったらよろしぃねん」
「合いまっしゃろか?」
「そら知らん 合うか合わんか、あんたのパイプ拝見したわけやないし、ともかくね、合うか合わんか入てみなはれ・・・えっ?入らない? 瓶の口を唾で濡らしてジンワリ入れてみはったらどぉです? えっ?入った?」
「お陰で、ちょ~どでした」
「ちょ~どやったらよろしぃがな、いつまでも泣いてんと早よしなはれ」
「では、さしていただきます「ミミズもカエルも皆ごめん」」
「もぉそんなアホなこと言ぅてんと、もぉ今、そんなこと言ぅてる場合と違いまんねん 早よしなはれッ!」

(ジャジャ~ジャ~、ジョンジョロリン、ジョンジョロリン ジャジャ~、ジャ~ジャ~ジャ~ジャ~・・・)

「こぉらまた派手な音やなぁ、もっと静かに大人しぃでけまへんか」
「でけまへん」

(ジョンジョロリン、ジョンジョロリン、ジャジャ~、ジャ~ジャ~ジャ~ジャ~ジャ~、ジャ~ジャ~、ジャ~ジャ~、ジャ~ジャ~、ジャ~ジャ~、ジョンジョロリン、ジャジャ~、ジョンジョロリン、ジャジャ~ジャ~ジャ~・・・)

「終わりましたか? こぉらまたぎょ~さんしたで 長いことかかったはずや、ちょ~ど一升あるがな」 

一升瓶に蓋をして、寝ている酔っ払いの足元にソ~ッと返した
返した途端酔っ払いが目を覚ました

「うい~ッ・・・うい~ッ・・・、さぁ、しっかり相撲取ったれ、えぇか頼むで また景気よぉ応援したるさかい、しっかり相撲取ってくれよッ!(パンパンッ)うぉ~いッ(パンパンッ)
仲見世、酒持ってきてくれ酒を、酒が欲しぃねん 容れもんが要んねやったら心配せんでもえぇで、容れもんなら先にもろた一升瓶が、さっきからこのとぉりちゃ~んと空に・・・???
すまん もぉちゃ~んと持ってきてくれたぁんねやないか、ハッハッハッハッ
黙ぁ~って置いていかれたら分かれへん、しかし、よぉ気が付きよんなぁ こっちが注文せんかて、無い時分にはこのとぉりちゃ~んと気ぃ利かして持ってきてくれとぉるだけが嬉しぃなぁ
おまけに、今度の酒は親切に燗までしてくれとぉる、ありがたいなぁ 
・・・
さ、しっかり取ってくれよ、えぇか頼むで 今、この酒呑んだら景気付けて応援したるさかい しっかり・・
ん?
うぉ~いッ仲見世、えらい変なこと尋んねるけどな、今度の酒、えらい泡立つなぁこれ、安い酒詰めたんか?
いやいや、酒といぅことさえ間違いがなけりゃ、少々の泡ぐらい辛抱して呑むさかい
・・・・
ハハハッ、さぁしっかり取れよ、えぇか頼むで、今、この酒グ~ッとひっかけて、また景気よぉパ~ッと応援したるわい しっかり取ってくれ、頼むで
しっか・・・ん?・・・フェ~ックションッ! 
おぉ~い仲見世、何べんもおかしなこと尋んねるけど、今度の酒、目ぇや鼻へピュッと沁みるな

。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ 

この日も無事乗り過ごすことなく帰着
相鉄線、懐かしかったです

勤務先のオフィスが相鉄沿線のビール工場跡地のオフィスビルにありましたからね
オフィスがみなとみらいに引っ越してからは相鉄線に乗る機会が全く無かったですから



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奥さんが給食当番をやるそうだ

ゴーヤをこうしてああしてとブツブツ

冷蔵庫の中でずっと寝ているゴーヤを使うらしい

嫌だなぁ、ゴーヤはあまり好きじゃない

しかしメニューを決める権限は給食当番が持つのです

奥さんに任せて部屋でPCをKacyaKacya

1時間後、何だか静かななような

2時間後、未だ出来たと呼びに来ない

それから30分、いくらなんでも変だ

キッチンに行ってみると何も出ていなくて使っている最中とは思えない

リビングに行くと床には奥さんが転がっている

寝てたんかーい(呆

起こしても寝ぼけた反応のままで又寝てしまう

・・・・・

仕方なく自分が給食当番

でもゴーヤは使いません

メニューを決める権限は給食当番が持つからね^^¥

結局奥さんはご飯抜きで朝までリビングで爆睡

そして今日もやっぱり朝風呂(呆

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