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昭和が香る狸小路で落語会 はな家寄席26 [落語]

前記事からの続きです


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NISSANでZを物欲しげに眺めた後はBAY QUARTER から横浜駅北口通路を突っ切ってやってきたのは昭和が香る狸小路


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この狸小路の昭和22年から続くおでん屋さん”はな家”で居酒屋寄席があるのです


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居酒屋の2F席が寄席会場になります
開場時刻と同時に行くのには理由があります
ほら、座席に背もたれが無いでしょ
腰が辛いんだよね
なので壁際に座って壁に凭れられるように席確保で早めに行くのです
筋トレしても腰は鍛えられないのが不思議・・・・かえって負荷かけているんじゃないかとも


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この日は金原亭小駒さんの独演会
木戸銭は2500円(前売りだと2000円)、飲みホの懇親会も2500円
SSブロガーのよーちゃんさんも合流




<一目あがり>

 

隠居のところに新年の挨拶に訪れた八つぁんは掛け軸に目がいった

もうちょっときれいなのを掛けたらどうですと文句をつけると

「この古いところに価値がある 汚いところに味わいと渋みがある こうして眺めるのが楽しみなものだ」

とたしなめられる

笹っ葉の塩漬けのような絵が描いてあって、上に能書きが書いてあるが何と書いてあるのだと訊くと


「これは狩野探幽の絵で雪折り笹、書いてあるのは能書きじゃなくて賛(サン)だと言い、”しなわるるだけは答えよ雪の竹”と書いてある」

と教えてくれた

その意味を聞くと、雪が積もり過ぎると曲がらぬ木は折れてしまうが笹しなって耐える 雪が積もって折れ曲がっていても春になれば元の笹になる 苦難があってもいつかはそれが取れるもので、我慢が肝心だという意味だと教えてくれた

八つぁん、その掛け軸にすっかり感心して思わず「音羽屋!」と褒めると、隠居にそんな褒め方をしてはいけない「結構な賛(三)ですね!」と言いなさい そうすればお前に対する世間の見る目が変わり、八公と言われているのが八つぁんになり、八つぁんが八五郎殿になり、それが八五郎様と呼ばれるようになるからと諭される

こういうものを見たときは「けっこうなな讃です」とほめるよう教えられた八つぁん

大家がしょっちゅう、ものを知らないとばかにして癪だから、これから行って掛け軸をひとつほめてくる、と大家のところに出かけた

 

大家が見せたのが根岸鵬斎の詩の掛け軸

褒めようとしたが絵がなく字だけで読めないので読んでもらう

”近江(きんこう)の鷺は見がたく、遠樹(えんじゅ)の烏見易し”

その意味を訊くと大家は『近くの雪の中のサギは目立たないが、遠くのカラスは目立つ』という意味だと言い、良いことは目立たないが、悪いことは直ぐ露見するという事だと説明した

 

「結構な三ですね!」と褒める八つぁん

「いいや、これは根岸鵬斎先生の詩(四)だ」

シだと言われて、サンしか知らない八つぁん、旗色が悪くなって退散

 

次にお医者さんのところで褒めようと「掛け軸を見せてくれ」と頼むと、見せてくれたのが一休宗純伺

何と書いてあるか訊くと

「”仏は法を売り、祖師は仏を売り、末世の僧は祖師を売り、汝五尺(ごしゃく)の身体を売って、一切衆生の煩悩をやすむ 柳は緑、花は紅の色いろ香 池の面に月は夜な夜な通えども水も濁さず影も止めず”だな」

「結構な四ですね!」と言うと今度は「いや、これは一休禅師の悟(五)だ」と言う

また旗色が悪くなって退散

 

八つぁんは「何だばかばかしい。、ひとつずつ上がっていきやがる 三から四、五ときたとなると今度五と言ったら六と言われるから、はじめから六と言おう」と、先回りして言うことにした

芳公のところに行き、一本しかない掛け軸を見せてもらった

 

「賑やかな絵だな 男の中に女が一人混じっているな、上に何か書いてあるがなんて書いてあるんだ」

 

「上から読んでも、下から読んでも同じめでたい文なのだ ”ながき夜の とをの眠りの みなめざめ 波のり舟の 音のよきかな”」

 

「結構な六だな」

 

「いいや、これは七福神の宝船だ」

 

「その隣にあるのはなんだ?」

 

「”古池や蛙飛び込む水の音”ってのか?」

 

「ははぁ、それは八だな」

 

「何言っているんだ これは芭蕉の句(九)だ」

 

(≧▽≦)/キャハハッァ♪♪

 

 

<欠伸指南>

 

昔はいろいろ変わった商売があったもので、猫の蚤取りとか耳掃除だとかあった

稽古所なども盛んに開かれていて、中には何やらよくわからない稽古所もあり、釣り指南所と言って、部屋の中で釣りを教えたり、ケンカ指南所などもいう啖呵の切り方を教えるようなところもあった

 

吉原でモテたい男がモテるためには粋な仕草が必要と、それにぴったりな習い事をしようと考えた

面白そうな指南所を見つけたものの一人で行く勇気はない、一緒に来てくれと友達に頼み込んでやってきたのは”欠伸指南所”

欠伸指南の教えを請うと、心やすく入門を許された

友達を入り口に待たせ、指南が始まった
「下地はありますか」と、問われたが

「欠伸に下地があるとは思わなかったどっちにしても、あの『あ~あぁ』と言うヤツでしょ」

「いえいえ、その様な”駄欠伸”とは違います」

「”駄欠伸”・・・?」
「ごく、実のある欠伸の中から、”四季の欠伸”から始めるのが、初心者には良いでしょう 秋の欠伸は名月を眺めていたら欠伸が出てきた 冬の欠伸は炬燵から顔を出した猫が、つっぱらかって欠伸をしているところを見ていて、つられて欠伸が出てしまうという これらは難しいので、後でするとして、今回は夏の欠伸を稽古しましょう」

「『夏だから、ぽかぽかっときて、欠伸が出る』、というヤツですか」

「それも駄欠伸ですからやりません」

「場所は隅田川の首尾の松辺りで、もやった船で船頭と二人っきり タバコに火を付けて、身体が揺れるような揺れないような、『船頭さん、船をうわてにやっておくれ、船から上がって一杯やって、晩には仲に行って、新造でも買って粋な遊びでもしましょうか 船も良いが一日船に乗っていると・・・、退屈で・・・タイクツで・・・あぁ~~あ(と欠伸)・・・ならない』とな」

「上手いもんだな」

「では、私について、覚えてください」
タバコを師匠から借りて、一服どころか充分堪能してから始めたが、大旦那風情どころか、職人風の”べらんめぇ”で感じが出ない

吉原に上がって浮いた話になったり、欠伸をかみ殺せなくて、「ハクシッ」とクシャミをしてしまったり様にならない

それを見ていた友人が

「何を馬鹿な事をやってるんだ 習う方も習う方だが、教える野郎もナンだよ お前らは良いよ、こっちの身になって見ろよ・・・ 退屈で・・・、タイクツで・・・、あぁ~~あ (と欠伸)・・・ならない」

「お連れさんの方が上手だ!」

 

 (≧▽≦) ァハハハッ!! 

 

 ここで仲入り

  

<妾馬>

 

丸の内に上屋敷を持つ大名赤井御門守(あかいごもんのかみ)
正室にも側室にも子供が生まれず、このままでは家が絶えるというので、この際身分は問わず、よさそうな女を見つけて妾にしようと、町屋まで物色
たまたま、好みの町娘が味噌漉を下げて、路地裏に入っていくのを駕籠の中から認め、早速家来をやって、その娘を調べた
すぐに、娘はその裏長屋住まいで名はお鶴、今年十七で、母親と兄の職人・八五郎の三人暮らしと知れた
その娘の住む長屋の大家に話をつけると大家は名誉なことだと喜び
お鶴は美人の上利口者だから、何とか話をまとめて出世させてやろうと、すぐに八五郎の長屋へ行った
出てきた母親にお鶴の一件を話して聞かせると大喜び
兄貴の八五郎には、大家が直接話をする
その八五郎、大家に、お屋敷奉公が決まれば、百両の支度金が頂けると聞き、びっくり仰天大喜び
こうなると欲の皮を突っぱらかして二百両にしてもらい、めでたくお鶴はお屋敷へ
兄貴の方は、持ちつけない大金を持ったので、あちこちで遊び散らし、結局スッカラカン面目ないと長屋にも帰れない
一方、お鶴、殿さまのお手がついて間もなく懐妊、月満ちてお世継ぎを出産
にわかに「お鶴の方さま」が「お側室様」と大出世

兄思いで利口者のお鶴、殿様に頼み兄・八五郎をお屋敷に招待する事をねだり許された
それを聞いた大家は八五郎を呼び着物を貸し与え、さらに殿様に口を聞く時は、口の利き方に気を付けろと助言
とにかく言葉の最初に“お”、最後に“たてまつる”をつければそれらしく聞こえるからとアドバイスをして送り出した
屋敷に着くと御用人の三太夫が殿様の所まで案内

やがて殿様がお鶴を伴い姿を見せると八五郎に「鶴の兄、八五郎とはその方であるか」と話しかけた
しかし何を言っているか分からない八五郎は無言
隣に座っていた三太夫が苛立ち「即答をぶて」と耳打ちすると、八五郎の側頭をバチン!
そうじゃない、返事をしろと言われ「おこんちは おわたくしは、お八五郎様にたてまつりまして、お妹のお鶴様がお餓鬼をおひねり出してたてまつりまして…」と変な丁寧語で話し始めた
理解できない殿様が「本日は無礼講じゃ 朋友に申すのごとく遠慮なく申せ」との仰せ
首をひねる八五郎に三太夫が友達と話をするように話せと通訳(?)する
と八五郎、とたんにあぐらをかき、いつもの職人言葉で話し始め、三太夫は怒り、殿様は面白がる
八五郎、さらに調子に乗って言いたい放題
三太夫を「なあ、三ちゃん」はてはお女中を「婆さん」などと始めたから、三太夫カリカリ
「いや、さっきから三ちゃんが横でごちゃごちゃうるさくってさ、かたっくるしいったらありゃしねーよ 大体今日はお鶴が餓鬼をひねり出したって聞いたら来たんでね…」とすっかりため口の八五郎におろおろする三太夫
しかし殿様は、このざっくばらんな八五郎を気に入り酒と御馳走を勧めた
元来が酒好きの八五郎、勧められるままに飲んで、酩酊状態

そんな時、殿さまの横にいるお鶴に気付いた八五郎
「お鶴じゃねえか なんでえ、すっかりきれいになっちまって・・・まるで竜宮城のお姫様だな
おふくろもよ、お前がお世継ぎを生んだって聞いてえらい喜んでるぜ
でも行っていろいろ面倒を見てやりたいが、それもできねえ
初孫を抱くこともできない
身分が違うというのはこういう事かと泣くんだよ
殿様に可愛がられるように尽くすんだぞ
そして殿様、お鶴をどうか末永く可愛がって下さい…」と涙
しかしすぐに「なーに、湿っぽくっていけねえ」と都都逸を披露すると「殿公、どっか繰り出さねえか!」
三太夫慌てて「これ、控えろ」
「いや、面白い その方を召し抱えて使わせ」と殿様のツルの一声
八五郎は侍に出世というめでたい一席

(° ꈊ °)✧˖°ホホウ

”妾馬”という題なのに馬が何処にも出てこないって?

実はこの噺には続きがあって・・・

侍に取り立てられた八五郎は名を改めて「石垣杢蔵左衛門蟹成」(いしがき もくぞうざえもんかになり)となる
使者の役を申しつかり、乗り慣れぬ馬に乗って暴走
必死にしがみついているところへ通りかかった家中の者が「そのように急いで何処へ参られる?」
八五郎あらため石垣杢蔵左衛門蟹成は「行く先は、前に回って馬に聞いてくれ」

で、やっと馬が出てきて、愛妾のお鶴とで、「妾馬」となります 

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寄席の後は懇親会
寄席会場だった2F席は居酒屋のレイアウトに戻されます


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最初はビール
^^)/▽ ( ^^)/▽ 乾杯 
ビールは苦手だから最初の一杯だけ
後は焼酎のお湯割、芋にしたり麦にしたり


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おでん屋さんですからおでんは外せません
自分的には玉子が入っているのが嬉しい
おでんの玉子は大好きなんだよね
おでんの具で好きなのは、玉子にガンモに焼き豆腐、それに厚揚げ(玉子以外はおでんに入っていなかったのが残念・・・でも煮物にガンモがあったからいいか^^¥)
今回のアテでキツかったのは無限唐揚げ
おかわり唐揚げがどんどん揚がってきて唐揚げの大食い大会状態でお腹が膨れて飲めなくなってしまいました
無限唐揚げ、鶏肉を仕入れ過ぎたのかな^^;


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この一週間

暑いぐらいに暖かな日があったり寒い雨の日があったり

こんなにも気温差があると

出張に着てゆく服に困ります

暑いぐらい暖かな日に新潟出張に出かけたのですが

暖かさについ薄着で出かけてしまい

新潟でちょっと凍えていました^^;

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