SSブログ

久しぶりに蒔田演芸会へ [落語]

この日は午前中はリビングのレイアウト変更の前準備、いろんな場所の寸法を測り、養生テープで目印を付けて終わりました

そして昼過ぎには外出

蒔田でSS風呂ガーのよーちゃんさん出演の演芸会があるのです



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レイアウト変更の前準備作業に以外と時間がかかってしまい、昼ご飯を作る時間がありません
でも蒔田演芸会は長丁場
ご飯抜きは辛すぎる
しかしお店でゆっくり食べている時間はありません

なれば短時間で食べることができる駅蕎麦が良さそうです
そんな訳で渋蕎麦のある菊名駅に向かいましたが、大倉山に気になっていたセルフの蕎麦屋さんがあったことを思い出し大倉山駅方向にターン
以前、薩摩屋という町蕎麦のお店があり。機会があったら出前をとろうと思っていたものの機会がないまま閉店
その後、居酒屋になりましたが武漢肺炎こと新型コロナの感染防止の為の営業自粛やアルコール提供禁止のあおりで閉店、今年の8月に再び蕎麦屋さんになったものです
開店したての頃、気になって外からチェック(仕事帰りで食べに入るわけにはいかなかったのです 給食当番もあるし^^;)
もり、かけが350円、かき揚げ蕎麦が480円と駅蕎麦並みにリーズナブルなことを確認
実は駅蕎麦やこういうスタイルの蕎麦も結構好き


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調べると、菊名にある鴨南蛮推しの蕎麦屋さん、鴨屋そば香のセルフ蕎麦のブランドらしい
これは気になります
機会があったら来てみようと思っていたので今回はいいタイミング


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ウィンドウの中で一番気になったのは富士山盛り
3枚盛りで650円とリースナブルなのが嬉しい


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でも初訪問でいきなり富士山盛りはリスクが高い
今迄何度それで遭難しそうになったことか
好みに合わない味だと量は食べられないからね
で、今回は普通のもり蕎麦350円をポチッとな
でも蕎麦だけではタンパク質が不足してしまいます
なのでミニ親子丼350円もポチッとな


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値段の割には美味しかったです
ただ親子丼は味が濃過ぎだったけれど
次回訪問時は推しの鴨せいろ蕎麦の3枚盛りにしようかな
正式な記事はその時に


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さくっと蕎麦を食べた後は東横線で横浜に
そして地下鉄に乗り換えて蒔田へ

開演ちょっと前に会場に到着
SS
ブロガーのkinkinさんと まこ さんが既に到着していました



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素人さんメインの演芸会ですが、プロの噺家さんも出演(特別出演&指導)したりします

それに素人さんだって落研の学生さんや玄人はだし、なかなかのもの
今回のトリはよーちゃんさんだそう



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 今回も演目の中から落語だけをご紹介 

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<桜鯛> 柏家 蓬生さん

 

殿様は魚を食べる時、下々のようにガツガツとは食べません

一箸入れて終わり

当然それでは少ないのでおかわりも用意しているのですが、この殿様、そんなにたくさんは食べない

そのうちご家来衆も心得たものでおかわりの用意もしなくなります

経費節減は重要ですから

ある日、出された鯛に殿様が一箸入れた後、かなり美味な魚だったのか「代りを持て」と側用人の三太夫に命じた

当然お代りを用意していなかったので三太夫は庭の築山を指差して、「殿、庭をご覧ください見事な紅葉でございます」と言う

殿が紅葉に見とれている間に三太夫は鯛の頭と尾を持ってくるっとひっくり返して「代りにございます」

「ほう、早いな」と、殿はまた一箸入れ「変わらぬ味じゃ、美味である 代りを持て」と命じる

さて困ったのは三太夫、代わりって言われたって用意はない

魚をひっくり返したら最初に箸を付けたところが表にでてしまう

三太夫が狼狽していると、殿様が言った

「どうした三太夫? もう一度庭を見ようか?」

∵・ ゞ(>ε<*) ブッッ!! 

 

 

<京の茶漬け> 今川 あずき さん

 

大阪の食い倒れ、高松の熱燗、京の茶漬けと言われます

大阪の食い倒れは食べ物屋さんが多く皆繁盛しています

高松では帰りかけると、「ママいいがなまぁアツカンデ」と言われます

熱燗が出るなら待っていようかと思いますが出て来ません

で、帰ろうと思いますとまた、「ママいいがなまぁアツカンデ」と言われ、いや、冷やでも良いからと思っても一向に出て来ません

これは熱燗が出て来るのではなく「せっかく来ていただいたのに、何の愛想もない 何もあつかわんで・・・」、と言っているので、熱燗が出て来るという事とは違います

京には同じような言葉があって、帰りかけると「時分ですからお茶漬け(ぶぶづけ)でも・・・」と言います

「ははぁ・・・、お茶漬けが出るんだな」と思いますが、これが出た例しがないのです

これは愛想言葉で、聞いた方も「いえいえ、お言葉だけで呼ばれたのも同じですワ」と言葉を返すのだそうです

 

毎回、これを聞かされて意地になった男がある日、「本当に茶漬けが出るまで居座ってやろう」と心に決めて、わざわざ大阪から京都まで出かけた

応対に出たおかみさんが「主人は外出していまして、いつ帰るか分かりませんが」と言う
「そうですか、ご主人に急いでお訊きしたいことがありますので待たせてもらいます」と座敷へ通してもらった

「いえ、昨日、ご主人が我が家へ来られたばかりで、その時に訊けばよかったのですが度忘れしてまして 

でも、ちょうど活きの良い鯛がありましたので久し振りにご主人と楽しい酒の席が持てました

いえね、たまたま、明石の活きのいい真鯛があったので、酒もあるし無理に引き留めて、素人の包丁ですから、引きちぎったような刺身でしたがそれで飲んで貰い、丁度飯を炊いてるところだから飯も食べてってくれと先程の鯛にワサビを付けてご飯に乗せて食べたら『美味い、美味い』とお代わりまでしてくれたんですわ・・・いえいえ、お礼は良いんです

時分時であり合わせの物で食べていただいたんですから・・・時分時であり合わせの物なのに、『美味しい美味しい』と、食べてくれはったのです・・・あり合わせの鯛で・・・、間に合わせの物で・・・」

と、男は主人を歓待したことを伝え、それとなく食事を催促するが

「そうだったそうですね 主人も喜んでいました」とおかみさんは言うばかりで、食事を出そうという気配は全く観られず、お茶の一杯も出ない

知人は帰って来ず、昼飯時になった

「ちょっと小腹が空いたので出前でも取ってもらえますか?」と頼むと、「生憎とこの近くには店屋がありませんで」とおかみさんは言う

さすがの男も諦めて「そうですか では改めてお伺いします」と言って腰を上げ掛けると

「折角お越しいただいたのに申し訳ございませんでした 何もございませんがぶぶ漬けでも」とおかみさんが言った

おかみさんも今まで辛抱していたんだから言わなければ良かったんですが、つい口癖で帰りかけると、口が滑った

男はこれを言わせたいために、来たのですから「そうですか」と座り直してしまった

おかみさん、しまったと思ったが後の祭り

このおかみさんも決してそんなケチな人やないんです
最前から謎かけてるのんも十分わかってますけれども、どこのお宅でも、そのご飯の段取りといぅものがあります

朝御飯を済ませ、いつもはもっと御飯が残るのに、何かの間違いでご亭主がたくさん食べたとか何かでこの日に限って残りは僅か、まぁ自分一人分があればいいから昼は少しで辛抱して、その代わり晩はご飯を多めに炊いて・・・という段取りがつけてあった

お櫃を引き寄せてフタを取ってみると、底に心細ぉ残ってるご飯

「足りるかいなぁ」と思案をしながらこれをよそって、縁にへばり付いてるやつみな扱き落として、よぉよぉのことで軽るぅ~に一膳こしらえ、それへたっぷりとお茶をそそいで、漬けもんと箸を出した

 

「お口汚しに」

「えらい済んまへん、こちらでまぁ、ご飯まで頂戴するやなんて ちょっとお腹が減っとりまして・・・、お言葉に甘えさせていただきます(ホンマの茶漬けやなぁこら^^;)いただきます(ズッズ~)

お茶がよろしなぁ、やっぱりご当地は宇治が近いさかい常からこんなえぇお茶使こてなはる・・・(ズッズ~)

漬け物も良いですな、ご当地の物をお漬けになった(ズッズ~)

流石に京都の漬物は一味違いますなぁ(ズッズ~)」

男は漬け物を褒めながら茶漬けを食べ終えるが、「お代りをしましょうか?」という声が掛らない

そこで今度は空になった茶碗を捻くり回して「いい茶碗ですな清水焼ですかな」と暗にお代りを催促するが、おかみさんは知らん顔をしている

しびれを切らした男が茶碗の中を見せ、「この茶碗は何処で買われました?」と訊くと、おかみさんは空になったお櫃の中を見せ「はい、このお櫃と一緒に近所の荒物屋で」

。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ 

 
 

 <六尺棒> 笑風亭 春好さん

おやじと息子の二人のやりとりのみで展開する「対話噺」です

 

道楽息子の孝太郎が吉原からご帰還

店が閉め切ってあるので、戸口をどんどんたたく

使用人の名前をいろいろ呼ぶが誰も出てきてくれない

ようやく誰かきてくれたようで物音がする

番頭と思ったら、中からはうるさいおやじの声

「ええ、夜半おそくどなたですな お買い物なら明朝願いましょう はい、毎度あり」

「いえ、買い物じゃないんですよ……あなたのせがれの孝太郎で」

さすがにまずいと思っても、もう手遅れ

「……ああ、孝太郎のお友達ですか 手前どもにも孝太郎という一人のせがれがおりますが、こいつがやくざ野郎で、夜遊び火遊び あんな者を家に置いとくってえと、しまいにゃ、この身上をめちゃめちゃにします 世間へ済みませんから、親類協議の上、あれは勘当しましたとどうか孝太郎に会いましたなら、そうお伝えを願います」

明日っからもう家にいますと謝ろうが取り合ってくれない

跡取りを勘当しちまって、家はどうなると脅すも、養子をもらうからいいといっこうに効き目なし

それならば自殺すると最後の手を出すも

「やれるもんならやってみろ、と、孝太郎にお伝えください 本当に死ぬ根性もないくせに、ともお伝えください」と、全く効き目なし

「止めんなら今のうちですよ、ううう、止めないんですか・・・じゃあ、もう死ぬのはやめます」

「フン、ざまァ見やがれ、と言っていたとお伝えを願います」

孝太郎、とうとう開き直って、できが悪いのは製造元が悪いので、悪ければ捨てるというのは身勝手だと抗議するが・・・

「やかましい 他人事に言って聞かせりゃいい気になりやがって、よそさまのせがれさんは、おやじの身になって、『肩をたたきましょう』『腰をさすりましょう』、おやじが風邪をひけば『お薬を買ってまいりましょう』と、はたで見ていても涙が出らァ 少しは世間のせがれを見習え」

親父が小言にかかると、孝太郎は「養子をとってまでして、どうしても勘当すると言うのなら、他人に家を取られるのはまっぴらだから火をつけて燃やしてしまう」と脅迫

言葉だけでは効果がないと、マッチに火をつけてみせたから、戸のすきまから様子をうかがっていたおやじ、さすがにあわてだす

六尺棒を持って、表に飛び出し

「この野郎、さァ、こんとちくしょう!」

幸太郎、追いかけられて、これではたまらんと逃げ出した

そして抜け裏に入って、ぐるりと回ると家の前に戻った

いい具合に、おやじが開けた戸がそのままだったので、これはありがたいと中に入るとピシャッと閉め込み、錠まで下ろしてしまった

そこへおやじが腰をさすりながら戻ってくる

おや、閉まっている・・・番頭が気を利かせて閉めてくれたのかな「おい、番頭さん、私だ開けてくれ」

「ええ、どなたでございましょうか」と孝太郎

「野郎、もう入ってやがる お前のおやじの孝右衛門だ」

「ああ、孝右衛門のお友達ですか 手前どもにも孝右衛門という一人のおやじがありますが、あれがまあ、朝から晩まで働いて、ああいうのをうっちゃっとくってえと、しまいにゃ、いくら金を残すかしれませんから、親類協議の上、あれは勘当いたしました」

立場が完全に逆転

「小言ばかりでやかましい、他人事に言って聞かせりゃいい気になりやがって、世間のおやじは、せがれさんが風邪でもひいたってえと、『一杯のんだらどうだ?小遣いをやるから、女のとこへ遊びにでも行け』 はたで見ていても涙が出らぁ 少しは世間のおやじを見習え」

「なにを言やがんでぇ そんなに俺のまねをしたかったら、六尺棒を持って追いかけてこい」

∵・ ゞ(>ε<*) ブッッ!! 

 

 

<壺算> 當今亭 㐂ん肉 さん

 

徳さんの家に友達が来る

二荷入りの水壺が割れてしまったので、一緒に二荷入りの水壺を買いに行って欲しいという

友達の女房が、あんたは買い物が下手だが、徳さんは腹黒いので買い物がうまいからおだてて付いて行ってもらえと言ったと

本人の前でそんなことよう言うなと呆れたが仕方なく徳さんは友達と瀬戸物町に水壺を買いに出かける

さて、どこの店にしようか、こういうのは店の大きさが肝心

大きい店は店の経費がかかるから値引きが渋いし、小さな店は安く仕入れられないから値引きの幅が限られる、程々の店がいいのだが・・・と、徳さん

後は店の奥に座っているのがぼーっとした雰囲気だと尚いいと

頃合いの瀬戸物屋に目星を付けた徳さん、中に入り一荷入りの水壺の値段を聞き始める

友達が二荷入りの壺を買いに来たんだと騒ぎ出すが、徳さんはこの壺がじきに二荷入りの壺になるのだから任せておけと言う

「この壺何ぼにしといてくれる?」

「へえ、軒並みずう~っと同商売でございます。朝商いのこってございますし、精々勉強いたしまして、お安うおまけいたしまして3円50銭が一文もまかりまへんので、へい、」 と、お店の番頭

じゃぁってことで「ほな、軒並みずう~っと同商売やのうて、朝商いでものうて、勉強も安くもせんと、まけなんだらいくらだ」と、徳さんが訊くと、するとやっぱり3円50銭という答えだ

なんとか3円にまけさせ、二人で天秤棒でかついで帰りはじめる

友達が二荷入りの壺を買うのではなかったのかと騒ぎ出す

徳さんはこれからこの壺がじきに二荷入りの壺になるのだといい、また店に戻った

 

「いや、申し訳ない、コイツが言うには買いたかったのは二荷入りの壺だったそうなんだ、二荷入りの壺いくらだ」と聞くと番頭は一荷入りの倍の値段だという

徳さんはそれなら6円でいいだろうと言うが番頭は6円だと1円もまけてしまうことになるので困ると言う

でも徳さんはうまいことをいって6円で話をつけてしまった

で、勘定の支払いとなるが・・・

徳さんは「それでだ、今買った一荷入りの壺は要らないんだがいくらで引取ってくれるか」と訊くと番頭は「元値の3円で引取らせていただきます」

すると徳さんは、「さっき渡した3円とこの壺の引取り代の3円で合計6円で、二荷入りの壺を持っていってもいいだろう」とたたみかける

なんだか狐につままれたようで腑に落ちない番頭も「そういう勘定になりますなぁ・・・」というので、二荷入りの壺を運び出す

でも何だかしっくりこない番頭さん

やっぱり勘定のおかしいことに気がついた番頭が追ってきて、勘定についてのやりとりが始まる

ややこしい勘定に番頭は徳さんにいわれて算盤を入れる

「一荷入りの壺はいくらで引き取る?」

「三円です」

「じゃぁ算盤に三円を入れて」

「はい、三円と・・・」

「さっき渡したお金は三円、それも入れて」

「はい・・・入れました」

「それでいくらだ?」

何度やっても6円だ

でも何故かいい商売をしたと言う満足感が得られない番頭さん

算盤が悪いのではないかと店の者に大きなそろばんを持ってこさせはじくがやっぱり6円となる

いらついて今にも泣き出しそうな番頭さん

いくらやっても6円となり、ついに

「ええ-、もうけっこうです この壺持って帰っておくれなはれ」

 

「ははっ こっちの思うつぼや」と、徳さん

∵・ ゞ(>ε<*) ブッッ!! 

 

ここで仲入り

 

 

 <甘酒売り> 跡乃 まつり さん

 

“鵜の真似をするカラス水に溺れる”という例えがありますが、人の真似は上手くいかないものでして・・・・・

 

甘酒は夏の季語

昔は夏の暑い盛りになりますと甘酒売りというのが出たんだそうですが、夏の飲み物ですから冷たいのかというと、これが大変に熱かったそうです

この甘酒屋をからかったという小咄がございまして・・・・・

 

甘酒売りがやってきた「甘ーい、甘酒ー」

通りがかった男が呼び止めた「おうッ、甘酒屋!」

「へい、ありがとうございます」

「あついか?」

「 へい、おあつうございます」

「じゃぁ、日陰ェ歩きな」と言って向こうに行ってしまった

「なんだいあいつは、人をからかいやがる、面白くねえ・・・・・」とボヤく甘酒売り、「甘ーい、甘酒ー」と天秤を担いで行ってしまった

これを見ていたのが、ちょっと間の抜けた男、こういうのが出てくるのが落語のお約束

「あいつ面白え事言いやがったな・・・

“おうッ、甘酒屋”

“あついか?”

“おあつうございます”

“日陰歩け”

へへッ、からかってやがる よし、俺も真似してやってやろう」

 

この男、止せばいいのに真似して甘酒売りをからかうことにしました

暑い夏の頃は甘酒売りはいっぱいいますから待っていれば甘酒売りはやってきます

そこへ甘酒売りがやってきました

「甘ーい、甘酒ー」

「おうッ、甘酒屋!」

「へい、ありがとうございます」

「あついか?」

「いえ、丁度飲み頃でございます」

「えっあっ・・・・・ゥゥじゃぁ一杯くれ」

。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ 

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バンドにもよーちゃんさんは出演
忙しいね^^ 

 

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<崇徳院> 可笑家きゃらめる さん(SSブロガーのよーちゃんさん)

 

とある商家の若旦那がひと月ほど前から寝込んでしまった

飯も喉に通らないありさまで衰弱する一方

医者にも診てもらったが、どの医者も首をかしげるばかり

しかもこの衰弱の様子だとあと一週間も持たないだろうと言う

そこで名医と呼ばれる先生に診てもらうと、何やら気病で

「これはなにか心に思い詰めていることが原因で、それをかなえてやれば病気は治る が、治らなければあと五日の命だ」

と言うので、思い詰めている事をしつこく問いただしても、若旦那はどうしても話そうとしない

命の危険もあると若旦那を説得したところ出入りの熊五郎になら話してもいい、と言うので熊五郎が呼ばれた

熊さんが部屋に入ってみると、若旦那は息も絶え絶え、葬儀屋にいったほうが早道といった有様

話を聞いても笑わないことを条件に、熊さんがやっと聞き出した病気のもとというのが、恋煩い

 

ひと月ほど前に上野の清水さまにお詣りして茶店で一服していると、お供の女中を三人連れた十七、十八の水もしたたるように美しいお嬢さんがやって来た

若旦那が思わず見とれていると、娘もじっとこちらを見る

ほどなく店を出て行ったが、茶袱紗を忘れていたので後を追って手渡した

お礼を言うお嬢さん、茶店で料紙を借り、ささっと何かを書いて若旦那の側に置くと軽く会釈してお帰りになった

 

見ると「瀬を早み岩にせかるる滝川の」と、書いてある

これは下の句が「われても末に逢はむとぞ思ふ」という崇徳院の歌

この歌は、別れても末には添い遂げようという心なので、それ以来、なにを見てもあのお嬢さんの顔に見える

でもどこの誰だか分からないから寝込んでしまったというわけ

 

熊さん、「なんだ、そんなことなら心配ねえ、わっちが大だんなに掛け合いましょう」

と安請け合いして、さっそく報告

大旦那、「いつまでも子供だ子供だと思っていたが」

とため息をつき、「じゃぁ熊さん、早速だが先方に行って訳を話をし私がこれから訪ねることを話してくれ」

「それがその、何処の誰だか分からないので」

「分からないと?その娘をなんとしても捜し出してくれ」

「何処の誰かも分からないのを?」

「何言っているんだ、相手は日本人だろ?日本中縦横十文字に道があるんだ 探せないことはないだろう なに、タダで探せとは言わない 探し出してくれたらお前が住んでいる五軒長屋、そっくりお前にやろう そして出入り職人頭としてやる」

と、熊さんに頼む

「もし捜し出せなければ、せがれは五日以内に間違いなく死ぬから、おまえはせがれの仇、必ず名乗って出てやる」

と、脅かされたから、熊さんはもう大変

直ぐに探しに行けと言うのを腹が減っているから食べた後でと言うとお櫃を首からぶら下げられ食べながら探せと外に出された

いくら何でもこんな格好では探せない

熊さんは一旦うちに帰ってご飯を食べることにした

うちに帰ってかみさんにかくかくしかじかと話すと

「あの若旦那がねぇ・・・子供だと思っていたのにいつの間にか大きくなってたんだね えっ?何だって?見つけたらあんたが職人頭になってこの五軒長屋を貰えるって? あんた、何やってるんだい さっさと探しに行かないかい! 何処の誰だかって? そんなの相手は日本人でしょ 日本中縦横十文字に道はあるのだから探せるでしょ ご飯? そんなもの探し出してからだよ!」

と、熊さんの尻を叩いて探しに行かせた

 

熊も張り切って探すのだが、まる二日収穫がない

かみさんも心配になってどうやって探しているかと訊くと「ここらへんに水の滴る娘さんはいますか?」って聞いて回っているだけだと

そんなので見つかる訳がないと怒るかみさん

「ほら、手掛かりはこの歌しかないから、湯屋だろうが床屋だろうが往来だろうが、人の大勢いるところを狙って歌を大声でがなってお歩き 今日中に見つけないと離縁だよ」

と追い出される

さあ、それからは「セヲハヤミセヲハヤミー」と大声でがなって歩き、湯屋に十八軒、床屋に三十六軒を巡った

湯屋や床屋の中でも「セヲハヤミセヲハヤミー」

そして夕方にはフラフラ

床屋に行ってももう刈るところもなく、髭も当たり過ぎて顔がヒリヒリ

「ことによると、若だんなよりこちとらの方が先にいっちまいかねねぇ」

と嘆いていると、三十六軒目の床屋で、突然飛び込んできた男が「急ぎの用事があるんだ 悪いが順番を変わってもらえないだろうか」と言い出し、「出入り先のお嬢さんが恋煩いで寝込んでいて、日本中探しても相手の男を探してこいという旦那の命令で、これから四国へ飛ぶところだ」

と床屋の親方に話すのが耳に入った

似たような話もあるもんだと熊さん

そのまま床屋の親方と男の話を聞いていると

「ひと月ほど前に上野の清水さまにお詣りして一服しようと茶店に入ると凄く素敵な若旦那さんが使用人をお供に居たそうだ で、気になって見ていたら向こうもこっちを気にしていてくれたらしい 帰るときに茶袱紗を忘れていたのをその若旦那が追いかけて渡してくれたそうでな そのお礼に茶店で料紙を借り、歌を書いて若旦那の側に置いたんだってさ その歌が確か「瀬を早み岩にせかるる滝川の」っていうのらしいのだが・・・・」

 

固まる熊さん

はっと我に帰りさあ、もう逃がさねえとばかりに男の胸ぐらに武者振りついた

「な、なんだ、何しやがるんだ」

熊さんは男の胸ぐらを掴みながら事情を話すと

「なんだとぉ じゃ、てめえん所の若旦那か てめえをウチのお店に」

と、男は熊さんの腕を振りほどいて熊さんの胸ぐらに武者振りついた

「今すぐウチの店へこい」

「何言ってんだ てめぇがウチの店へこい」

ともみ合っているうち、花瓶が倒れて鏡にぶつかり両方とも割れてしまった

床屋の親方が二人を止めながら

「おい、話をすりゃあわかるんだ こんなめでてぇ話しなのに ウチの鏡を割っちまってどうするんだ」

『親方、心配しなくてもいいよ 割れても末に買わんとぞ思う』

。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ 





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演芸会が終わったら近くの中華屋さんで一杯


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緊急事態宣言も解除され、心配なく飲めますね


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  • ( ・∀・)っ凵凵c(・∀・ ) カンパーイ
    まずはビール、ビールには枝豆〜♪
    この後は紹興酒に切り替えます


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蒸し鶏と餃子は欠かせません
好物ですし


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でも、もっと外せないのがこれ、白い麻婆豆腐
これが結構辛いのです
白い麻婆豆腐と共に普通の赤い麻婆豆腐も頼まないとね


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白と赤を同じ皿に盛ってブレンドしながら食べるのもオツです^^


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今日は秋薔薇を撮りに出かけました

出かける時に奥さんに昼ごはんの給食当番はしないと宣言したのは

一日中撮り歩く計画だから

最初に港が見える丘のローズガーデンに行ったけれど

薔薇の数は少なめでした

しかもタイミングが遅かったようで

花が傷んでいるものばかり

今ひとつ気分が乗れなくて

洋館のハロウィンデコ撮りに切り替えたけれど

なんと密回避のために館内撮影禁止だし

もう、すっかりテンションダウン

山下公園のローズガーデンに寄るのもやめて

ウチに戻ったのはお昼過ぎ

なぜかそのまま給食当番をすることに

俺、宣言してたよね?

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コメント 23

kinkin

改めて蒔田はお疲れ様でした。
一気に今回も書き上げましたね・・・自分はいつもの通りに2回に分けて^^;
で、アソコの中華屋さんも蒔田の打ち上げの定番の店になりそうですね。
バラはお仕舞いでしたか・・・そしてハロウィンは・・・
今年はバラの見頃は例年より早いんですかね。
by kinkin (2021-10-25 04:31) 

mutumin

あららっ!優しいさるさんは給食当番やっちゃったのね!その方が美味しい物食べれそう!
by mutumin (2021-10-25 06:03) 

我流麺童

紅白の麻婆豆腐丼は初めて見ました。なんかオメデタイ!!

by 我流麺童 (2021-10-25 06:12) 

HOTCOOL

紅白麻婆豆腐いいなー
食べてみたいです。
by HOTCOOL (2021-10-25 07:14) 

pn

タンパク質足りなくね?と思ったけど夜でばっちりだねーo(^o^)o
by pn (2021-10-25 07:34) 

Rchoose19

あ~あ~溜息出ちゃう(T_T)
今回も、よ~ちゃんさんは
パワフルに活躍したみたいですね!
なによりかにより、打ち上げが羨ましすぎますよぉ♪
秋薔薇、ちょっと外れてしまったんですね^^;
自然はね。思い通りにはいきませんね!
また来年のお楽しみを残してくれたと思いましょ♪
by Rchoose19 (2021-10-25 07:50) 

Take-Zee

おはようございます!
蒔田は母の生誕地・・・
来年2月で94歳になります!

by Take-Zee (2021-10-25 08:21) 

kokoro

奥様からすれば、給食当番お休み宣言をしたとしても
その時間に帰ってきたならばそれはキャンセルだと(笑)
ご自身の食事だけ買って帰れば良かったのにww
by kokoro (2021-10-25 18:24) 

ハイマン

是非3枚盛り チャレンジしていただきたいです!
朝からやっている蕎麦屋って近くに有ると良いんだけどなぁ
by ハイマン (2021-10-25 19:05) 

HIRO

こんにちは。
 >今ひとつ気分が乗れなくて
案外?奥様の念が...(マテ
by HIRO (2021-10-25 20:46) 

tai-yama

お殿様も富士山盛りで頼めばお代わりいらなかったかも・・・。
鯛は切り身にして少しずつ出すのが良さそう(笑)。
by tai-yama (2021-10-25 23:41) 

ryang

緊急事態宣言が解除されて
近隣の駅周辺のお店は多くの人出が
ありました
きっとまた来月か再来月には再度時短営業に
なる事態なんだろうなと思いつつ、
なんだか一安心という気持ちもあります
健康てだいじですねぇーー
by ryang (2021-10-26 00:39) 

英ちゃん

緊急事態宣言も解除され、心配なく飲めますね・・・
だけど、私はまだ外で飲む気がしません?
取り合えず、ワクチン接種(2回目)が終わってからにしようと思ってます(^_^;)
by 英ちゃん (2021-10-26 00:43) 

きよたん

餃子が美味しそう
麻婆豆腐も 
昼過ぎに帰らないでそのまま何処かへ行ってくればよかったのに。
by きよたん (2021-10-26 08:22) 

ちょろっとぶぅ

薔薇、残念からのぉ~撮影禁止(>∞<)
チェックして行かないと、痛い目に合うね。。。
by ちょろっとぶぅ (2021-10-26 12:59) 

よーちゃん

ご来場ありがとうございました~!
打上げのあの店、ナイスですよね。
白麻婆はかかせませんわ!
公式?打上げをやってた佳仙ですが、
最近廃業されたようです・・・。
by よーちゃん (2021-10-26 13:33) 

momo

給食当番お疲れ様です^ ^宣言しても作ってあげるなんて優しい^ ^
by momo (2021-10-26 19:38) 

ゆきち

秋バラは私も見逃しました・・。
宣言は解除になっても、混み合う場所は予約が必要だったりするので要チェックですね。
赤白麻婆の相乗り、美味しそうです(#^^#)
by ゆきち (2021-10-26 22:04) 

みずき

白い麻婆豆腐が気になります。
山椒のびりびり系なんでしょうか。
by みずき (2021-10-26 23:47) 

さる1号

皆様、NICE有難うございます。
by さる1号 (2021-10-31 20:38) 

さる1号

kinkinさん、コメント有難うございます。
一気に仕上げないと集中力がもたなくて^^;

mutuminさん、コメント有難うございます。
有耶無耶のうちにやることになっちゃって・・・

我流麺童さん、コメント有難うございます。
白いのが結構美味しくて^^

HOTCOOLさん、コメント有難うございます。
なかなか辛いですよ^^

pnさん、コメント有難うございます。
あとプロテインも飲んでいて^^

Rchoose19さん、コメント有難うございます。
次回は是非
おでん屋さんの2Fのもありますよ

Take-Zeeさん、コメント有難うございます。
94歳とは凄いですねー
これは100歳超えが狙えますね^^

kokoroさん、コメント有難うございます。
電車で行っていたら外食していたのですが、ベスちゃんだとあまり寄り道をしないので・・・

ハイマンさん、コメント有難うございます。
蕎麦とかラーメンとか朝から営業してくれるのは便利ですよね

HIROさん、コメント有難うございます。
あるかも・・・・ーー;)

tai-yamaさん、コメント有難うございます。
切り身、殿様は切り身の数を数えていたりして^^;

ryangさん、コメント有難うございます。
年末辺りがどうなるかでしょうねぇ
波が来なければいいのですが・・・

英ちゃんさん、コメント有難うございます。
暫くは大人しくしていた方がいいかも

きよたんさん、コメント有難うございます。
何処かに行けばよかったなぁ・・・・・
あまりにもテンションダウンでウチに帰っちゃいましたーー;)

ちょろっとぶぅさん、コメント有難うございます。
撮影禁止は酷いよねー
来年は撮れるかなぁーー)

よーちゃんさん、コメント有難うございます。
あらら、コロナの影響なのかなぁ
となると公式の打ち上げ会場は何処になるのだろう

momoさん、コメント有難うございます。
気付いたら作ってましたーー;)

ゆきちさん、コメント有難うございます。
今年のバラはタイミングが難しかったですね

みずきさん、コメント有難うございます。
ビリビリです
白くても辛い〜><

by さる1号 (2021-10-31 20:38) 

erena

西洋館は今年も写真禁止で外にフォトスポットご用意されていたようです。
紅葉前のこの時期 綺麗な薔薇は少なくなりますね。
私もキラキラとは見えずらい時期
少し淘汰され 秋の色が入ってくるとまた 違ってくるのか
自分の心なのか 笑  
by erena (2021-11-02 08:26) 

さる1号

erenaさん、コメント有難うございます。
来年は普通に撮れるようになって欲しいですねぇ
この秋の薔薇はそそられなかったけれど、それは自分の感覚が自粛疲れで曇ったせいなのかなぁーー)
by さる1号 (2021-11-13 03:47)