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今年最初の蒔田演芸会 [落語]

2月の最後の土曜日はちょっと用事を済ませた後で蒔田に寄る予定
蒔田ではSS風呂ガーの”よーちゃん”さん出演の演芸会があるのです
蒔田演芸会は久しぶり、本年初めて
素人さんメインの演芸会ですが、プロの噺家さんも出演(特別出演&指導)
素人さんだって落研の学生さんや玄人はだし、なかなかのもの(今回は試験の時期なのか学生さんは出演なかったですが)



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で、土曜日の朝はゆっくり過ごします
昔は土曜日のアサイチから外に飛び出して行ったものですが、最近はそれが辛い
土曜日の午前中で疲れを抜いてからでないと遊びに行かれない体になってしまいました
金曜日の夜一晩寝れば週の疲れなんか消えていたのになぁ
今じゃ土曜日の朝は疲れが残っていて起きられません
これが還暦の体ってやつなのか・・・・
ゆっくり過ごし、11時近くになったら誰もいないオフィスに行って書類を提出
いえね、経理関係の書類は領収書とかがあるから原本の提出が必要で・・・・はよ出せって経理から煽られてたんだよね
でも平日に行く時間なかったし(在宅勤務に堕落して行く気が無かったとも言う)^^;
書類を出して、あとはちょこちょこっとオフィスに行かないと出来ないことを済ませます
月曜日にオフィスに来てやればいいだけの事だけれど、月曜日の朝からオフォスに行くのがかったるいw
用事を済ませたら桜木町から地下鉄に乗って蒔田へ


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会場に到着すると丁度Rchoose19さんも来たところ
kinkinさんとまこさんも合流


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 今回も演目の中から落語だけをご紹介 

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<鼾駕籠> 柏家 蓬生さん


昔の移動手段として駕篭があります

値段は交渉、値切ったりすることもあれば祝儀をわたすこともあります
降りるときに酒手(チップ)を渡すことも

または急いでほしい時などは乗るときに酒手をはずむと言って乗れば駕籠もスピードアップ、先ゆく駕籠をどんどん抜いてゆきます

客を乗せ、客に何とかご祝儀を出させようとする駕籠かきの先棒、わざと聞こえるように大きな声で相棒の後棒に話しかけます

「お~ぅ相棒」

「 え~なんだい?」

「昨日乗せたお客様な~、粋な方だったじゃぁねぇか」

「 おお、そうだ、粋な方だったなぁ」

「 駕籠から降りる時に『おれも長げぇこと駕籠に乗ってるけども、おめぇ達ぐらい担ぎっぷりの良い駕籠屋は初めてだ』おれ達に一分づつ祝儀くれたっけ」

「 そうだった、そうだった いいお客だった」

この話しを聴いた駕篭のお客、祝儀なんざ払いたくないからって聞いていないふり、タヌキ寝入りを決め込みます

「チッ、鼾が聞こえるじゃねぇか・・・・しょうがねぇなぁ・・・」

でも癪だから何としても起こして話を聞かせようと駕籠を大きく揺すってみますが客だってそんな事は分かっています

起きてたまるかと必死にタヌキ寝入りを続けて大きな鼾

で、駕篭は目的地に近づいてきたので、お客を起こす事に

「え~、お客様!お客様!」

「おぉ、着いたのかい あ~良く寝たよ」

何か言いたげな駕籠かき、その顔はご祝儀催促の圧力

「いい揺れ具合の駕籠でよく眠れたよ そうそう駕籠屋さん、昨日は粋な駕籠屋に乗ってな、 駕籠から降りる時にね、『あたしらも長いことこの稼業をしてますが、お客様ぐらい乗りっぷりの良い方は初めてでした』ってんで、一分づつ祝儀くれましたょ 粋な駕籠屋だったなぁ・・・」

駕籠屋の二人、担いだまんま『ぐ~~~~』

。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ 




ここでよーちゃんの登場


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何時もは学生さんとかがセッティングしてくれているのですが今日は見台をセルフで運びます


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<おごろもち盗人>可笑家きゃらめる さん(SSブロガーのよーちゃんさん)


店のご主人が、月末の支払いの算段をしている

いくらソロバンをはじいても、いくら支払先の順番を変えても足りない

頭の中では足りていたはずであったが、実際の現金と合わない

奥さんに聞くと、実は帯を買うのに持ち合わせがなくて店の金を借りて買ってしまったという

その分が不足として合わなかったのだ

しかし帯にしては足らない金額が多い

帯だけなのかと問うと実は着物と草履と・・・と一式全部を店の金で買ったようだ

どうやり繰りをしたら良いか頭を抱える店のご主人

 

おごろもち泥という泥棒がいた

 ”おごろもち”とは地中に穴を掘ってトンネルを作り生息している”もぐら”の事

昼間、商人のふりをして、目星を付けた家に入り、閂、掛け金の位置を覚えておき、夜になって地面を掘って穴を開け、手を伸ばして閂を外して押し入る

この手口から”おごろもち泥”または”もぐら泥”と呼ばれています

 

そのもぐら泥がこの店の敷居を掘って腕を差し込んできた

寸法を間違えて掘ってしまったらしく閂に手が届かない

しかし今更堀直すのは手間、どうにかならないかと思案してながら腕を左右に振っていた

「もう少しのところで届くんだがな・・・」

店の主人はソロバンを入れながら支払いの調整を頑張っている、がなかなか上手くいかない

ため息交じりに「もう少しなんだがな・・・残念だ」

泥棒は「もう少しなんだがな・・・残念だ」

それを耳にした店の主人「おい、人真似しないで早く寝な」と奥さんに言うが「私は何も言っては居ませんよ」

・・・・

「どうしても2円足りないな」

「どうしても2寸足りないな」

「お金に2寸と言うことは無いだろう」

でも奥さんは何も言っていないと言う

土間の隅を見ると、腕が敷居のところから戸のカギを狙って動いている

奥さんは驚いて騒ぎ出す

「泥棒だから静かにしろ」と言い、細引きを持って来させた

捕まえて警察に突き出せば2円位の褒美が出るだろうから、その金で埋め合わせをする算段

そーっと近寄って腕を捕まえた

 「こらァ、捕まえた」

「わぁ!しまった。痛い!・・・悪気があってやったのでは無いので」

「悪気があってやったんでは無い? じゃぁ、良いと思ってやってるのか」

「貴方、よしなさいよ。この人だって悪気があってやっているのじゃ無いわ まだ何も盗られていない」

「奥さんですか。(泣き落としに掛かる)家に帰れば八十五のお袋が長の患いで養いがたいので、つい出来心です」

「泥棒は手が長いと言うからもっと出せ」と、強く細引きを引く

「痛い、引っ張っちゃダメ、ダメ。イタイ」

「可哀相ですよ 後で火を着けられたら恐いわョ」

「(高飛車に)そうですよ。私には85人の子分が居るんだ」

「おまえは黙ってろ、泥棒がつけ上がっている 1人の親が養えなくて、85人の子分が養えるか」

「ごもっともです だが、仲間が居て火を着けますよ」

「付けるなら付けろ このうちは借家だ」

そう言いながら泥棒の腕を縛る主人

「親方、勘弁して下さいよ イタタタ、痛いな この野郎もう頼まない、ぶっ殺してやるからな イタタタ、ちぎれちゃう、今のはウソです  えっ?店の中が静かだな 寝ちゃったんだ ねぇ、起きてくださいよ 勘弁してくださいよ」

縛られたまま、地面に張り付いていた泥棒、そこに犬が来て片足上げて・・・砂まで掛けて行った

 

そこに男が歩いて来た

博打で負けて5円の借金

明日の朝までに耳をそろえて持って来いと、怖い賭場の若い者に脅されていた

金の思案が付かないまま、路地に入ってきた

「オイ」と声が掛かってビックリして足元を見ると、怪しげな男が地面に這いつくばって居る

逃げだそうとしたが懇願されたので近くに寄って話を聞くと、泥棒で中で腕を縛られていると言う

背中に財布があってその中に刃物が入っているので、それを取ってくれと頼まれた

その刃物で、縛られた紐を切って逃げるという

言われた通りに背中から財布を取り出してみると、中には金が5円入っていた

「おっ、5円入っている」

「おいおい、金はイイんだ その中の刃物を取ってくれ」

「お前、本当に縛られているんだな」

「その刃物で切って逃げるからはやくよこせ」

泥棒にせかされながら、財布と縛られた泥棒を見比べた男、意を決してその場から走り出した

思わず泥棒が「泥棒~」

。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ 

 

  <きゃいのう> 當今亭 㐂ん肉 さん

 

「おい、団ちゃんじゃないか。何処行くの」

「(女ぽい話しぶりで)あら、山本さん、お久しぶり お陰様で、私も元気に仕事をしてますワ」

「だいぶ様子が変わったね」

「2年、3年と役者仕事をしていたら、変わりますよ」

「もっとこっちへお出でよ、人がたかるから、路地の奥で話そう・・・今、どこかへ出てるのかい?」

「出てるのか、じゃないよ どうして、見に来てくれないの」

「そりゃ友達だから、見に行く手はあるんだよ だって、お前の初舞台の時は、よっチャンと六さんと辰っつぁんと、四人で行ったじゃないか 芝居、ずっと見て、どこへ出たか分からなかった 後で聞いたら、車引きの牛の後足だって 『牛の後足!』なんて、ほめ言葉にならないよ 二度目に、俺は小岩の方に用があって、お前の名前が出ているから、見に行ったら、五段目の猪だったじゃないか 大森に出たって葉書が来たから、六さんと二人で見に行ったら、塩原太助の馬じゃないか 牛、猪、馬、お前は十二支専門だよ まあ、お前の獣(けもの)でない役は、いっぺん浅草で見たよ 天竺徳兵衛のガマやったろう 動物一式をやった後は両生類かよ そのうちに魚類を・・・」

「何を言ってるのよ 役者の修行中は仕方がないの この頃では、ちゃんと、役が付くんだから」

「そりゃ見に行っても良いけれども、やっぱり這ってるの?」

「歩きますよ。今度は人間の役ですからね」

「人間!へぇ、人間の何やんの?・・・死人?」

「死人が歩くかよ、舞台を私は歩くんだよ 旧劇ですよ、女形 それでね、お師匠さんから言われて、役者は心構えが肝心だから、女形なら普段から、女の様な仕草をしなければいけないと だから、私はこうするの(シナを作る)」

「そうか、役者の修行ってのはつらいんだね でも、やっぱり芸熱心だなぁ あの猪の時なんざ、這い出す稽古してたもんなぁ、カエルの時は雨が降った」

「何を言ってるのよ 今度は、女形 腰元ですよ」

「ああ、金魚のウンチ お姫様の後をつながったり、切れたりしながら、付いて行くんだろ」

「いやぁね、ウンチじゃないわよ」

「じゃ、おしっこ?」

「今度は、たった三人しか出ない腰元の一人で、台詞が言えるんですからね」

「台詞?お前の台詞、聞いた事あるよ ヒヒーンってのとね、モォ~ォってのと、・・・・ガマは台詞がなかったけど・・・」

「何を言っているのよ ほら、これが書き抜き 台詞が書いてあるのよ 私は、朝晩、これを見て、台詞を忘れないように、稽古してるのよ」

「へぇ、見せてくれよ これねぇ、ああ・・・真ん中にチョロチョロっと書いてある、これ?『き・や・い・の・う』 これ何?」

「それが台詞だよ。『きやいのう』って読むんじゃないの、『きゃいのう』ってのよ」

「『きゃいのう』?そんな言葉があるのかよ 日本語の中に無いよ」

「三人の腰元の、私は最後に出るの すると、向こうの垣根の所へ乞食が来るの 一番先の腰元が『むさ苦しい』と言うの、次の腰元が『とっとと外へ行(ゆ)』まで言うの その後私が『きゃいのう』」

「それで『きゃいのう』かよ お前、一人じゃ日本語にならないじゃないか これを朝晩見て、忘れないように、稽古してるの?」

「いけない 楽屋入りの時間だわ」

「それじゃ~、早く行きゃいのう」

 

∵・ ゞ(>ε<*) ブッッ!! 

 

ここで仲入り

 

<酒の粕> 跡乃 まつり さん 

 

与太郎は酒にとっても弱い男

酒粕の大きいのを二切れ食べただけで

だいぶご機嫌になっている

「よお、どうした、そんなに赤い顔して 酒が飲めるようになったのか?」

「あっ、熊さん 実はね伊勢屋さんのとこで手伝いをしてさ、ご苦労さんと酒粕を焼いてくれたので大きいのを二枚も食ったんだ」

「いい若えもんが酒の粕食ったなんて見っともねえ 自慢できる話じゃねえぞ 人に聞かれたら酒を飲んだといいな」

「酒を飲んだと言うとどうなる?」

「どうかなる訳じゃないが威勢がいいやな 男らしいって言われるぞ」

「そうか、じゃぁそう言うよ」

与太郎は次に辰さんに出会った

「辰さん、辰さん、あたいの顔赤いだろ?」

「ああ、赤えな 酒粕でも食ったのか」

「そうじゃねえよ 酒飲んだんだ」

「へえ、そうか ついこないだまで寝小便たれてると思っちゃいたが、もう酒が飲める一人前の男になったのか 今度、一緒に飲みに行こうじゃねえか で、どのくらい飲んだんだ」

「このくらい大きいのを二枚も飲んじまった」

「なんでえ、やっぱり酒の粕じゃねえか」

「分かるか」

「それを言うなら、これくらいの武蔵野でグゥーっと二杯やったと言ってみな」

「武蔵野ってなんだ?」

「武蔵野の野っ原は広くて、とても見つくせん 野見つくせんで、飲み尽くせんほどの大盃ってことだ」

「なるほど武蔵野でグゥーと飲んだか」

「あっ、武蔵野はいいが二枚じゃないぞ、二杯だからな 間違えるなよ あと酒だけじゃなく肴もあるとそれっぽくていいな まぁ、マグロのぶつ切りとほうれん草のおひたしってとこかな」

ここまで教えてもらって早く言いたくて仕方がない与太郎

でもそんな時に限って知り合いと出会わない

仕方がないので煙草屋の婆さんのところに行って

「婆さん、おいらの顔赤いだろ」

「おや、どうしたんだい? 走ってきたのかい?」

「そうじゃないよ 酒を飲んだんだ」

「おや、与太さんが酒をかい? どのくらい飲んだんだい?」

「このくらい大きな武蔵野で二杯飲んだ 肴はマグロのぶつ切りにほうれん草のおひたしさ」

「随分景気がいいねぇ でもあんまり無茶したらダメだよ そんな大きいもので二杯、冷や酒は体に毒だよ お燗して飲んだのかい?」

「冷やは体に毒? 心配ない 焼いて飲んだ」

 

。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ 

 

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バンドにもよーちゃんさんは出演

忙しいね^^ 

 

 

<井戸の茶碗> 月の家 小圓鏡 さん 

 

麻布谷町に住む、屑屋の清兵衛さん

正直一途な男で、人呼んで「正直清兵衛」

ある日、とある裏長屋に入っていくと、十八、九の、大変に器量はいいが、身なりが粗末な娘に呼び止められ、家に入ると、待っていたのはその父親

うらぶれてはいるが、人品卑しからぬ浪人

屑を買い受け、帰ろうとすると仏像を買って欲しいと頼まれまた

ところが清兵衛さん、実は骨董品の目利きには自信がなく、「自分は骨董には目が利かなくて高いものを安く買ってしまうのは申し訳ないし、かと言って自分が損するのも嫌でございますから」と断った

しかし娘の父親は「無理を承知で何とか」と頼んだ

娘の父親は清兵衛さんに事情を打ち明けた

名は千代田卜斎(ちよだ・ぼくさい)といい、元はしかるべきところに仕官していたが今は浪人に成り果て、昼は子供に手習いを教え、夜は街に出て売卜(易者)をして娘のお市と二人で細々と暮らしを立てていると言う

そんな慎ましやかな暮らしも昨今の長雨で風邪をひいてしまい、仕事もできず薬となんやかんやと金がかかり、金が必要になったと

その千代田卜斎が家に古くから伝わるという煤けた仏像を取り出し

「これを200文で買ってもらいたい」と頼む

清兵衛さんは目が利かないからと断るが、結局頼まれるがままに引き取ることにした

「買い取ることはできませんので200文で預からせてください それでそれ以上で売れたら儲けの半分をこちらにお届けにあがりますから」

 

そう話を付けて仏像を引き取った清兵衛さんは仏像を籠に入れ、「屑ぃ~」と流し歩いていた
細川屋敷の下を通りがかったところで高窓から外を眺めていた若い勤番・高木佐久左衛門に声をかけられた

「おい屑屋 その籠の中のものは仏像か?」

「はい、仏像でございます」

「ならば一寸見せてくれ なに、まわって来ることはない 今から笊を降ろすからそれに乗せてくれ」

言われた通りに仏像を笊に乗せ、侍は笊を引き上げ仏像を手に取り眺めた

仏像の中でコトリと音がした

「ははぁ、これは腹ごもりという奴だな」

「腹ごもりとは何です?」と中間

「仏像の中に仏像が仕込んであるもので縁起物だ」

 

「屑屋、これはよい仏像だ 気に入った 幾らだ?」

「それはさるお方から200文で預かったものですからそれ以上の値段ならば幾らでもいいです」

「何だ 正直なやつだなw  では300文でどうだ?」

商売成立、仏像は300文で売れた

 

高木佐久左衛門は中間にぬるま湯を持って来させ煤けた仏像を洗い磨き始めた

磨いていると台座の下の封をしていた紙が剥がれ外れた中から小判が出てきた

数えると50両あった

300文で50両とは儲かりましたねと言う中間に「私は300文で仏像を買ったが50両を買った覚えはない」と戒める

「仏像を売るようではよほど貧乏しているに違いないから、これは返してやりたい」

と、言ったものの仏像を売った主はわからないし、屑屋の名前も聞いていない

困り果てていると「屑屋は縄張りがあってだいたい同じところを流しているそうですから待っていればそのうち前を通るかもしれません」と中間

良いところに気がついたと中間と二人、毎日窓の下を覗いていた

屑屋が通ると

「おい屑屋 顔を見せろ・・・・・」

屑屋が通る度に顔を改めたので、これが業界の評判になり、多分仇でも探しているんだろう、という噂になる

実は清兵衛さんは風邪をひき、しばらく外に出ていなかったのでこのことは知らなかったが噂を聞き、それは多分自分じゃないかと仲間に言った

仲間は「一体何があったんだ? えっ?仏像を売ったって? それだ 古い仏像だったんだろ? 多分磨いた時に首が取れたとかで縁起でもないと怒ってるんだ 多分、売った屑屋の首も落としてやろうと・・・」

「ええええっ、私はどうしたらいいのでしょう」

「細川屋敷の付近では声を出さずに通り過ぎれば見つからないから大丈夫だよ」

「そうですね」と清兵衛さん

 

でも癖とは怖いもの

つい「屑ぃ~」と声を出してしまった

呼び止められ高木佐久左衛門の前に連れてゆかれた

「ご勘弁してください」と懇願する清兵衛さんに

「何を勘違いしておる 実はな・・・」

高木佐久左衛門は50両の事を話し、「即刻届けてきてくれ」と言いつけた

 

清兵衛さんは驚いて千代田卜斎の家に行き、仏像が300文で売れたことを告げ、利益の半分の50文を渡した

「買った値段より高い値段で売るのは商人の才覚、私に半分渡す必要もない」と言う千代田卜斎に「最初の約束でございますから」と受け取ってもらった

その後、仏像より50両でてきたことを話し、金を渡すが、律儀一徹の千代田卜斎

「売ったからにはもうこの金は自分のものではないから受け取るわけにはいかない 先祖様が子孫の為にと仏像の中に入れた50両 家に伝わる仏像を自分の不徳によって手放したのだからその金は自分は受け取る資格はない その金は今の仏像の持ち主のものだ」

と突っぱねる

清兵衛さんは千代田卜斎を説得しますが頑として受け取りません

挙げ句の果てには「刀にかけても受け取れぬ」と怒り出した

仕方なく高木佐久左衛門のところに持って帰るのですが、高木佐久左衛門も受け取らない

高木佐久左衛門は高木佐久左衛門で「刀にかけても・・・」

板挟みに困り果てた清兵衛さん、千代田卜斎の住む長屋の大家に相談をした

 

「”花は桜木 人は武士”と言うが近頃にないいい話だ」と長屋の大家は感激して仲介を買って出ます

大家の案は千代田卜斎に20両、高木佐久左衛門に20両、間に入って苦労した清兵衛に10両を渡すというもの

高木佐久左衛門は承知したが千代田卜斎はまたしても拒絶

「受け取れば恵んでもらったのと同然、侍として全てを失ったが魂だけは無くしたくない」と言う

「それなら20両と引き換えに何かを高木佐久左衛門様に渡したらどうでしょう これならただ恵むということにはならないはず」と大家

それに納得した千代田卜斎、だが何も金目のものはない

何でもいいですよという大家の言葉に普段から使用している祖父の代から伝わる小汚い茶碗を高木佐久左衛門に譲ることでこの騒動は収まった

 

その後、この噂が細川家中に広まり、ついには細川侯の耳にも入ります

高木佐久左衛門は細川侯の御目通りを許され、貰った茶碗も見せます

「ほう、なかなかに小汚い茶碗だのう」と細川侯も苦笑

この時偶々細川家に出入りの鑑定家が同席していて、茶碗を見て目の色が変わった

「殿、拝見させていただいてもよろしゅうございますか」

手に取り眺め顔の色まで変わった

「殿、これは井戸の茶碗と申しまして世に二つと無い名器、大層値打ちのあるものです」

「何? 高木、この茶碗余が貰い受けるぞ」

お殿様が貰い受けると言うのですからタダってことはありません

300両が高木佐久左衛門に渡されました

300両を目の前に高木佐久左衛門は困ってしまった

茶碗は元は千代田卜斎から譲ってもらったもの

この300両を一人で受け取っていいものだろうか

で、清兵衛を呼びつけ「半分の150両を渡してほしい」と頼んだ

「50両であの騒ぎだったのですよ 150両なんかとんでもない」と嫌がるも渋々頼みを受け入れて150両を千代田卜斎の所に持っていった

 

やはり千代田卜斎は受け取らない

そこで清兵衛さんは「何でもいいから前みたいに150両のカタになるのを譲っては」と尋ねます

「しかし何も無いが・・・」と悩む千代田卜斎、ハッと妙案が浮かびます

「高木氏は独り身か? 我が娘、母親が亡くなってからは男手ひとつで育てたが一通りのことは仕込んである 外に出しても恥ずかしくは無い もし高木氏に娘を貰っていただけるのなら嫁入りの支度金として150両を受け取ろう 高木氏の事は会った事はないが今迄の経緯で人柄は解る 高木氏に貰っていただけるのなら私も嬉しい 高木氏に話をしてくれないか」

清兵衛さんから話を聞いた高木佐久左衛門、「千代田氏の人柄は今迄の経緯でよく分かっている その千代田氏の娘御ならば間違いはない お受けしよう」と快く受けた

それを聞いて喜ぶ清兵衛さん

「ああっ、それは良かった 綺麗な娘さんですよ 今は裏長屋にいてくすんでいますが、こちらに連れてきて磨けばいい女になりますよ」と高木佐久左衛門に言うと

「いや、磨くのはよそう、また小判が出るといけない」

 

 。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ  

 

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演芸会が終わったら近くの中華屋さんで一杯 

 

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  • ( ・∀・)っ凵凵c(・∀・ ) カンパーイ
    まずはビール、ビールには枝豆〜♪
    この後は紹興酒に切り替えます
    あっ、麻婆豆腐を食べるのを忘れた
    ここの白い麻婆豆腐がなかなかいいんだよね
     

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静岡は浜松に出張

前乗りなので夕方の新幹線に乗って浜松に向かいます

夕刻までは在宅勤務でしたが妙に忙しい日でした

新幹線に乗る寸前までバタバタ

武漢肺炎こと新型コロナが猛威をふるい出張する人も少ないようで

車内はガラガラ静かです

で、うとうといい気持ち

目覚めたら名古屋

=͟͟͞͞( ‧̣̥̇〣ヤッテモータ

ダッシュで新幹線を降り、上り側のホームへ

入ってきた新幹線(ひかり)に飛び乗ります

当然ガラガラでウトウトしそうなのをグッと我慢

”気づいたら新横浜”だったら凄いネタになるなぁ・・・

ネタにならず無事浜松で降りました

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mau

電車の振動ってなんか眠気を誘いますよね。
電車通勤の時、よく、寝過ごしそうになりましたが、同僚のお陰でなんとか5年間で2回くらいで済みました。
by mau (2022-03-08 23:45) 

英ちゃん

新幹線で寝過ごすとは、やっちまったな~って感じ(゚□゚)
次回もっと凄いネタ期待してます?(^_^;)
by 英ちゃん (2022-03-09 01:41) 

HOTCOOL

毎回思いますが、本格的な演芸ですね。
by HOTCOOL (2022-03-09 04:27) 

kinkin

全てアップされましたね・・・^^;
自分は後半が残っていますが月中になりそうです。またまた試験勉強中(^^ゞ
浜松停車のひかりですか、次は名古屋?
by kinkin (2022-03-09 04:54) 

mutumin

新幹線は静かだから眠りやすいのかも・・・
by mutumin (2022-03-09 06:51) 

Take-Zee

おはようございます!
蒔田は懐かしい地名です・・
母の実家が榎木町にあったので界隈を
よく歩いたんですよ!

by Take-Zee (2022-03-09 07:18) 

きよたん

こんな世の中だからこそ笑いが必要ですね
楽しく読ませていただきました。
中華をみんなで良いですね
最近 仲間や友人と打ち上げもランチもなくて
寂しい限り
浜松出張 のり過して戻りましたか
仕事がらみだと青くなりますね
ローカル線ならアウトですね(笑)
by きよたん (2022-03-09 08:55) 

よーちゃん

ご来場ありがとうございました!
長時間、お疲れになったことかと~。
次回5月もどうぞよろしくです!
by よーちゃん (2022-03-09 09:06) 

pn

疲れ取れないよねー、週休三日を義務にして欲しい(笑)
by pn (2022-03-09 09:45) 

拳客

新幹線で寝過ごすとはお疲れですね。
夜のお菓子うなぎパイを食べて元気になってください。
by 拳客 (2022-03-09 11:06) 

Boss365

こんにちは。
書類を提出、お仕事を済めせ・・・
よーちゃんさん出演の蒔田演芸会と「中華屋さんで一杯」を楽しまれたようですね。
新幹線、ありそうでない出来事「無事浜松」お疲れ様でした!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2022-03-09 12:27) 

ちょろっとぶぅ

新幹線でビールのんぢゃったのかなぁ。。。
名古屋⇒横浜間のチケットは・・・(^∞^???

静岡散歩、いついけるかなぁ~~~(>∞<)
by ちょろっとぶぅ (2022-03-09 14:17) 

yoko-minato

出張続きでお疲れがたまっているのかも。
ガラガラ新幹線室や内で気持ちよくウトウト
降りる駅を通り過ぎてしまったのですか!!
流石すぐ飛び降りて無事目的地で(´▽`) ホッ
by yoko-minato (2022-03-09 16:50) 

お散歩爺

何人もの落語やバンド演奏が楽しめたなんていいですね。
by お散歩爺 (2022-03-09 17:22) 

ブリザド

蒔田演芸会、面白そうです(^ω^)
私は新婚当時、家内と末廣亭に行った切り...(汗)

新幹線、やっちゃいましたね
まあ、仕事に響かなくてラッキーでした(笑)
by ブリザド (2022-03-09 19:18) 

raomelon

いつもながら素晴らしいレポ
よーちゃんさん、高座とバンドで大活躍ですね^^
お腹の底から笑って中華屋さんで一杯
めちゃ楽しそう~♪
by raomelon (2022-03-09 20:17) 

HIRO

こんにちは。
 >=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇) 〣ヤッテモータ
まあ、新大阪とか鹿児島中央とかじゃなくてヨカッパですね...(笑)

by HIRO (2022-03-09 22:10) 

Rchoose19

改めまして、当日はお世話さまでしたぁ♪
打ち上げ楽しかったです!
普段は黙々と個食なので・・・・
たまぁに、おしゃべりしながらお酒飲むのいいなぁと♪
新幹線で乗り過ごすと、距離が長いから大変ですね!
お仕事に影響が出ないで本当によかったですね!
by Rchoose19 (2022-03-10 07:22) 

newton

演芸会の後の飲み会が良いですね。新幹線で寝過ごすと大変なことになりますね。名古屋から浜松も結構かかるけど・・・。お疲れ様でした。
by newton (2022-03-10 14:47) 

okko

昔は寄席ぐらいしか娯楽がありませんでしたね。
古今亭志ん生さん、忘れられない味。
by okko (2022-03-10 16:32) 

みうさぎ

乗り越し楽しそう(笑)

by みうさぎ (2022-03-10 16:54) 

johncomeback

拙ブログへのコメントありがとうございます。
蒔田演芸会には今年こそ行きたいと思っています。
昨日職場から帰途の電車で居眠りして、
乗り過ごしじゃなく一つ手前の駅で降りてしまいました。
寝ぼけていたんですね。
by johncomeback (2022-03-10 19:41) 

momo

新幹線で乗り過ごすのはめちゃくちゃ焦りますよね^^;無事に到着して良かったですね^ ^
by momo (2022-03-10 21:10) 

tai-yama

駕籠じゃないけど、新幹線の揺れっぷりが見事だったので名古屋
まで行ってしまったのかも。ご祝儀を(笑)。
by tai-yama (2022-03-10 23:25) 

まこ

改めて蒔田ではお世話になりました~
二次会行けなくて凄く残念・・
ふふ♬盛り上がって
他所のお客さんに叱られたとの情報が?
by まこ (2022-03-12 14:25) 

さる1号

皆様、NICE有難うございます。
by さる1号 (2022-03-13 22:50) 

さる1号

mauさん、コメント有難うございます。
5年間で二回とは優秀ですねぇ

英ちゃんさん、コメント有難うございます。
でも名古屋で気付いて良かったです

HOTCOOLさん、コメント有難うございます。
なかなか面白いですよ

kinkinさん、コメント有難うございます。
はな家のもあるので急がないと^^;

mutuminさん、コメント有難うございます。
しかも今は空いていますからねぇ

Take-Zeeさん、コメント有難うございます。
大岡川の桜は昔もあったのかな^^

きよたんさん、コメント有難うございます。
オフ会、やりたいですねぇ

よーちゃんさん、コメント有難うございます。
次は5月ですね
了解です^^

pnさん、コメント有難うございます。
もう体がガタガタです><

拳客さん、コメント有難うございます。
うなぎパイ、結構好きなのです^^

Boss365さん、コメント有難うございます。
無事浜松に到着できて良かったです

ちょろっとぶぅさん、コメント有難うございます。
飲まなかったんだけれどねぇ
寝ちゃった^^;
SL乗りに行こうよぉ〜

yoko-minatoさん、コメント有難うございます。
春眠なんとやらで、よく寝られていないのでしょうねぇ

お散歩爺さん、コメント有難うございます。
ちゃんとプロの出演もありますからねぇ

ブリザドさん、コメント有難うございます。
無事Uターンできて良かったです

raomelonさん、コメント有難うございます。
中華屋さんでは騒ぎ過ぎてクレームが^^;

HIROさん、コメント有難うございます。
大阪まで行ったら戻れなかったなぁ

Rchoose19さん、コメント有難うございます。
流石に新幹線の乗り過ごしは焦りました^^;

newtonさん、コメント有難うございます。
新幹線で乗り過ごし、初めての体験でした
焦りました^^;

okkoさん、コメント有難うございます。
昔の寄席、その雰囲気に浸りたいなぁ

みうさぎさん、コメント有難うございます。
いやぁ、かなり焦りました^^;

johncomebackさん、コメント有難うございます。
一つ前の駅で降りるのも悔しいですねぇ
でもそれ、自分もやったことあります
しかも朝、仕事に行く時に^^;

momoさん、コメント有難うございます。
ほんと、無事Uターンできて良かったです

tai-yamaさん、コメント有難うございます。
いや、だからグゥ〜って^^;

まこさん、コメント有難うございます。
そんなにも煩かったのかなぁ^^;

by さる1号 (2022-03-13 22:50)